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ロシア戦でSO先発の松田力也 「違ったところ」見せて2019年につなげる


ロシア戦へ向け準備する松田力也。日本代表16キャップ目となる(撮影:出村謙知)


 世界選抜、オールブラックス、イングランド。ビッグネームとの対戦ばかりが続いた、この秋のジェイミージャパン。総仕上げとも言えるツアー最終戦の相手は、来年のラグビーワールドカップ(RWC)開幕戦での対戦が決まっているロシア。
 ジェイミー・ジョセフHCは「フィジカルなチーム」と警戒感を緩めないものの、世界ランキングでいうなら19位と、ここまでの3試合に比べてジャパンの主力選手たちのモチベーションに変化があってもおかしくない状況かもしれない。

「このツアーでラストの週。ロシア戦が一番大事な試合になる。タフな試合になるだろうが、一番いい準備をしようと臨んでいる」

 イングランド戦からの先発メンバー変更は負傷による離脱のLOヘル ウヴェも含めて4人のみ。チームの骨格を変えずに戦うことになるRWCオープニングゲームの前哨戦で、今年初の先発出場を勝ち取ったSO松田力也にとっては、誰がなんと言おうとも最高のモチベーションで臨む一戦となる。

 今年のテストマッチで不動の「桜のジャージの10番」を背負ってきたSO田村優に代わって、ジャパンの司令塔への抜擢。当然、松田にとっては、間もなく30歳となるベテランSOのゲームメイクとの比較にさらされることを受け入れざるを得ない状況であるのも確かだ。
「優さんが比べられる対象になる。変わらずに自分でもできるというところ、遜色ないところ、そして、自分には違うところがあるというのを見せられればいい」

 具体的に、松田自身が「優さんと違うところ」と考えているのは、自ら仕掛けていく部分。
「自分はボールを前に運ぶ力があると思っている。いいチャンスメイクができればいい」

 その一方で、「同部屋になることも多い」という田村から常に学びながら成長している感覚もある。

「優さんはまわりをしっかり使える。優さんが迷ったらチームが迷うと思うが、優さんは迷わない。そういうところが大事。部屋でもサインをしっかりノートに書いたり、準備を大切にするところも勉強になる」

 昨年11月のワラビーズ戦でSOとして先発した後、2018年の日本代表戦では途中出場が続いてきた松田だが、ジョセフHCは「途中出場で大きなインパクトを与え続けてくれている。試合の流れを大きく変えたこともある。その成長ぶりからみて、スタートからゲームをコントロールしていくのにふさわしい存在になっている」と、司令塔としての成長ぶりに太鼓判を押す。

「練習どおりのことを全員がやれれば、高い精度でのアタックができた。(試合に出られずに)見ている部分が多かったが、自信になった」
 松田自身、この秋のテストマッチでの出場時間はニュージーランド戦およびイングランド戦合わせて計25分ほどに止まったものの、練習も含めて日本代表として過ごしている時間の充実ぶりが、さらなる成長につながっている自覚もある。
「スタメンとして久しぶりの試合。いい準備ができているし、まわりとのコミュニケーションも取れている。成長したところを見せたい」

 今年、日本代表の司令塔として君臨し続けた田村とは違った面も披露して、「ロシアに『これは何をやっても日本には勝てないな』と思わせるような圧倒的なプレーをアタックもディフェンスもしていく」。
 ジャパンの2018年ラストゲームで2019年につながる卓越したタクトさばきを披露するつもりだ。

(文:出村謙知)

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