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敬意は持っても大きく見過ぎない。NZ代表へ挑む日本代表のマインド。

WTB福岡堅樹(左)とFL姫野和樹。(撮影/松本かおり)


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リーチ マイケル主将は6番で出場。(撮影/松本かおり)



 キャップ数の少ない選手たちがスターターに並ぶとはいえ、世界一のチームだ。
 プライドがある。実力も。テストマッチの経験が「まだ」足りないだけ。オールブラックスの看板に偽りはない。
 11月3日にニュージーランド代表と戦う日本代表が決戦前日(2日)の午前中、会場の味の素スタジアムでトレーニングをおこなった。


「相手をリスペクトはしますが、大きく見過ぎない。対等の立場で戦いたい」
 練習後、試合への思いを問われた選手たちはそう声を揃えた。
 FL姫野和樹とWTB福岡堅樹だ。


 先週の世界選抜戦をケガで欠場した姫野は、「テストマッチは独特。のしかかる重みがある」と話した。
「オールブラックスと戦えるのはラガーマンとして幸せです。体の調子はいい。同世代の相手に負けたくないですね。緊張はしていますが、初めてのテストマッチだった昨年のワラビーズ戦よりは緊張していません。スーパーラグビーなども経験してきたので。相手は仕掛けてくると思います。それに負けないメンタルが大事。自分たちから仕掛けていかないと。そして、自分たちのやるべきことを80分遂行する。しっかりとディフェンスもしないといけない」
 一人ひとりが、それぞれ100パーセントに高めてキックオフを迎えることも大切とも言った。


 福岡は、「普段は(自分の)トライのことなど考えず、チームが勝でばいいと考えていますが、明日はトライを取ることにもこだわりたい」と話した。
 2013年、6-54と完敗した試合に出場した(秩父宮)。試合終了間際にトライラインに迫るも、ギリギリのところでタッチに押し出された悔しさがある。
「世界の壁というものを痛感した試合でした。あの頃と比べると、ボールを持っていないときの動きやキックチェイスなど成長した面があると思っています。(新しいユニットとなった)バックスリーはコミュニケーションを取りやすいし、普段からチームでFBをやっている人(山中亮平)がそこでプレーするので(世界選抜戦より)良くなっています」
 気負いはない。相手のハカに対しても、「(前回対峙したときは)自分たちのためによくそこまでやってくれるな、と嬉しかった」と自然体で受け流すつもりだ。


 所属する東芝が、ラグビー部運営からの撤退を検討している。
 そんなニュースが前日に流れるも、一夜あけて会社、チームが自ウェブサイトで「徹底検討の事実はない」としたことから、リーチ マイケル主将は安堵の表情を見せた。
 同主将は会見の冒頭に「(東芝の)ウェブサイトを見てすごく安心しました。これから明日の試合に向けて準備したい」と話してから、テストマッチへの思いを口にした。


 キャプテンは、「今週はいい準備ができた。わくわくしています。個人的にもできる限りのことはやってきた」と心身の充実を伝えた。
「オールブラックスは世界一の相手。全員が世界一の選手たちです。そういうチームと試合できるチャンスはなかなかない。ワールドカップの1年前にそんな相手と戦える。いいところも反省も出ると思いますが、そういう意味でも重要な意味のある試合。自分たちの力を出し切りたいですね」


 勝利に近づくためのプランはある。
 相手に敬意を払いながらも、キャップ数の少ない選手たちが並んでいることについて、「テストマッチの経験があまりない選手たちもいるから緊張もしていると思う」と言った。
「攻め続けることが大事。プレッシャーをかけ続けないといけない。スコアで競る展開を続けることも、そのひとつ。だからディフェンスもキーになる。相手はこぼれ球を拾って、いっきにトライにまで持っていける力も持っているので、そこにも対応していかないといけない。対戦相手の方が自分たちより大きいのはいつものこと。低さとスピードで勝負します」
 相手の分析についても、「ひとりずつやってきた」と準備にスキはない。


「ラインスピードで(オールブラックスを)驚かせたい」
 キャプテンの頭の中にあるイメージは、全選手の頭の中にもある。
「スーパーラグビーでも、ニュージーランド(フランチャイズ)の上位チームからトライも奪っています。明日もとれると思う」の言葉には力があった。







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