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オールブラックス戦先発。日本代表の坂手は「ひとつひとつのプレーを努力」。


ティア1(強豪国)相手のテストマッチで初先発となる坂手淳史(文:向 風見也)


 11月3日に東京・味の素スタジアムであるニュージーランド戦。日本代表の背番号2は坂手淳史がつける。

 身長180センチ、体重104キロの25歳は、これまで10キャップを取得。次なる代表戦は、オールブラックスの異名を持つ世界ランク1位チームとのバトル。10月31日の練習後、勇ましい言葉が重なる。

「わくわくしています。ずっとテレビで見ていたチームとやれるところにいるのは自分にとってもモチベーションですし、そこでしっかりと戦って勝ちたいなとは思っています」

 帝京大時代は主将を経験。複数のニュージーランド留学の経験から、ラグビー王国の凄みを攻守の切り替えの速さに見た。もっとも現体制が同国出身のスタッフで固めていることを踏まえ、こう話す。

「練習中の速さ、自分たちのところへボールが来た時の集中力の高さが、実際に行ってみて感じたことです。ただ、それはいまの日本も意識していやっていることですし、僕らの土俵でもある。運動量でまず、上回りたい。相手のアタックは多彩でいろいろなところへ仕掛けてくるかもしれないですけど、自分たちは前に出て止めて、ターンオーバーから一気にアタックする。そういうジャパンのスタイルを出していきたいです」

 10月26日の世界選抜戦は28−31で惜敗。前半ないしハーフタイム明けの失点が響いた。途中出場した坂手は、オールブラックス戦に向け「ディフェンスのところ、ゲームの入り。そういう自分たちでコントロールできるところをコントロールしていこうというところです」。直近の実戦で得た反省点も肥やしにする。

「(世界選抜戦では)気持ち的には皆しっかりやろうと思っていたし、動けていたのでつながりをもう一度、強くしたいというところです」

 最前列中央で組むスクラムでは、元ニュージーランド代表の左PR、ワイアット・クロケットに手を焼いた。そのため試合後は映像を見返し、なぜ苦しんだのかを再確認。今度はクロケットと同じ国の現役代表選手たちに対し、自分たちの形を貫きたいと話す。

「オールブラックスには8人がまとまってくるという特徴を特に感じます。そのなかで押してくる方向というものも、オールブラックスのなかで意思統一されている。それを自分たちがどう止めるか、押していくか」

 今回のツアーでは、主将経験のある堀江翔太がいない。坂手は日本代表、パナソニックで堀江とHOのポジションを争っており、「翔太さんとは、パナソニックや日本代表でもずっと一緒で、たくさん教えてもらった部分もある」。一方で、「そういうところ(堀江の不在)はあまり意識せず、いまの日本代表でジェイミー(ジョセフ ヘッドコーチ)や他のチームメイトとつながって、自分のプレーができるようにと意識しています」と強調する。

 世界ランク11位の日本代表がオールブラックスを撃破すれば、その記録はラグビー史に深く刻まれるだろう。実現のためには。「努力することだと思います」。坂手は即答した。

「ゲームのなかでのひとつひとつのプレーを努力すること。それで勝敗が変わってくる。個人で何かをするというより、チームとつながって与えられた役割を果たしていきたい」
(文:向 風見也)

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