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流経大の危機に元柔道家、ヴィリアメ・タカヤワが急成長中。


流通経済大のヴィリアメ・タカヤワ。写真は9月24日の中央大戦(撮影:松本かおり)


 南国フィジーの柔道一家に生まれ育った青年が、日本の楕円球界で人生を賭けた勝負に挑んでいる。

 ヴィリアメ・タカヤワ。流経大ラグビー部の2年生だ。今季、加盟する関東大学リーグ戦1部で開幕から3戦連続で先発中。急遽抜けた大駒の穴を埋めるべく、プレーの幅を広げている。

 おじのチョサテキ・ナウルは、ロンドン、リオデジャネイロとオリンピックに2大会連続で出場した柔道家。父も畳を愛していた。

 タカヤワ本人も9才まで道着をまとっていたが、スバ小の1年時からラグビーにも没頭。「柔道も楽しかったけど、練習がきつかったから! 個人競技よりも、チームスポーツに魅力がありました」。母国きっての人気スポーツを選んだ先で、ニュージーランドのケルストンボーイズ高へ渡る。来日すれば大学卒業後にラグビー選手としての道が開けそうだからと、流経大の門を叩いた。ちなみにおじのナウルもこの流経大の出身。現在は日本の母校でコーチを務める。
 
 礼に始まり礼に終わる格闘技を通し「規律を学べた」というタカヤワは、身長183センチ、体重99キロの体格を誇り、50メートルを6秒フラットで走る。10月8日のリーグ戦の3試合目(東京・上柚木公園陸上競技場)では、専大から3トライを奪い56−14で勝利。球をもらう前のコースチェンジも駆使し、豊かなスピードを活かした。

 目下、進化しているのはプレー選択の判断。防御の裏へ球を蹴ったり、自分の大外があくと見るやパスを放ったり。内山達二監督に「身体がついたらもっとスピードも上がる。これからもっとよくなる」と期待されるなか、当の本人も手ごたえを語る。

「相手のWTBの上下などを見て、パスしたり、蹴ったりを選択する。試合中の経験を通し、そういうことを気にするようになってきています」

 タカヤワがプレーするアウトサイドCTBは、もともと3年生のタナカ・ブランドン・ムゼケニエジの定位置だった。春には関東学生代表としてニュージーランド学生代表に好タックルを連発していたムゼケニエジだったが、夏からチームを離脱。その小さくないエリアを補填するのが、いまのタカヤワの仕事だ。戦力維持に奮闘するクラブにあって、当の本人は置かれた立ち位置をこう捉える。

「自分にとっては大きなチャレンジです。ブランドンは攻守ともそつなくこなしていました。彼がしていたことに追いついていきたい」
 
 21日、埼玉・熊谷ラグビー場で拓大と激突。昨季王者の大東大などとの上位争いは11月に組まれる。リーグ戦の優勝と大学選手権での上位進出を目指すクラブにあって、タカヤワの存在価値が問われるのはこれからだ。
(文:向 風見也)

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