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流経大の試練。U20日本代表の津嘉山廉人はどう受け止める?


関東大学リーグ戦1部第2週の中央大戦前に校歌を歌う流通経済大の津嘉山廉人(撮影:松本かおり)


 流経大ラグビー部のメンバー表から、貴重なアウトサイドCTBの名が消えた。

「戦力的にはめちゃくちゃでかいです。きょうの試合だって、ここにブランドンがいたらなぁというのはある。でも、いないのはいないで仕方がない。一人ひとりがリーダーシップを取ってやっていくしかない」

 右PRの津嘉山廉人がこう話すのは、タナカ・ブランドン・ムゼケニエジ不在の影響についてだ。

 今季3年目のムゼケニエジは、1年時からしなやかな走り、オフロードパス、何より広大な守備範囲で存在感を発揮してきた。今季もシーズン前にはニュージーランド学生選抜と戦う関東学生代表、関東大学オールスターゲームのリーグ戦選抜に選ばれていたが、流経大の加盟する関東大学リーグ戦1部ではここまで出場なし。

 9月16日は昨季6位の日大に29−26(茨城・たつのこフィールド)、津嘉山が「きょう」と表現した24日には同5位の中大に29−7(東京・上柚木公園陸上競技場)と開幕2連勝。しかし大学日本一を目指すにあたり、反省点を残したか。

 特に中大戦では鋭い防御と工夫されたスクラムを真に受け、前半を0−7としていた。終盤こそ突き放したものの、2年にして2試合連続先発の津嘉山は反省しきりだ。

「前回(日大戦)は相手がやりやすいようにゲームを動かしてしまった。今回(中大戦)は自分たちのやりやすいようにという思いがあったのですが、スクラムのところでうまくいかなかったのかなと思います。1番(左PR)が肩を(隣のHOの肩の後ろ)隠して自分を狙ってきていた。僕が1番(の角度のついたプッシュ)を抑えられなくて、押されたというところがありました。(フィールドプレーでは)こちらの1人に対して向こうは2、3人と詰めてくる。1対1のフィジカルでは勝てるという自信が裏目に出て、受けてしまったのかなと思います」

 ムゼケニエジが復帰する可能性は、現状ではかなり低いのかもしれない。その一方で、今季昇格の専大との第3戦目は10月8日に控えている(上柚木)。津嘉山は言った。

「もっと攻守とも、ガツガツ、自分から前に出るという意識でやっていかないと。自分から、チームのためにやっていこうという気持ちでやります」

 沖縄東中では野球少年だったが、部活動を引退した中3の夏以降にラグビーの全国大会予選をサポート。そのまま千葉の強豪である流経大柏に誘われ、現在に至る。

「高校では初めて本気になっているところ(チーム)を経験したので、最初の頃は圧倒されました。練習もきつかったですし、一人ひとりのマインドも違いました」

 在学中にLOから右PRに転じ、大学でも身長185センチ、体重108キロという恵まれたサイズで動き回る。今年は20歳以下(U20)日本代表として、ワールドラグビーU20チャンピオンシップ(フランス大会/5月30日〜6月17日)に出た。

「U18は強い高校から選ばれるというイメージがありましたが、U20は実力勝負と思った。絶対に入ってやろうと思っていました」

 欧州列強とのスクラムでいくらか洗礼を浴びつつも、プレーの細部を突き詰めるU20日本代表で多くの宝物を得た。チームにはセットプレーの姿勢、手足の位置をていねいに指導する遠藤哲ヘッドコーチがいた。他のメンバーの向上心もあり、津嘉山は大いに刺激を受けた。

「向こうではスクラムで(反省があった)。そこまでは悪くなかったけど、きついところ、相手がプレッシャーをかけてくるぞというところで踏ん張れなかった。(U20日本代表の)スクラム、ラインアウト、アタックでも細かいところまで突き詰めようという探求心のようなものが、自分にはよかったです。ディフェンスが失敗した時も、失敗した(瞬間の)要因を直すのではなく、(根本的な)要因を調べてからの修正がありました。レベルの高いところだなと思いました」

 生態系が変わりつつある流経大でも、「できるだけグラウンドの内外ではしゃべるようにして、自分のわからないことがあれば聞こうと考えています」と津嘉山。貴重な国際経験をチームに還元し、難局を乗り越えたい。
(文:向 風見也)

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