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第1回W杯優勝NZ代表元主将、カーク氏が語る、日本で開催される大会の意義

第1回W杯で優勝し、ウェブ・エリス・カップにキスをするNZ代表のカーク主将
(Photo: Getty Images)


 1987年におこなわれた第1回ラグビーワールドカップで、開催国ニュージランド代表の主将として栄光のトロフィーを掲げた、デイヴィッド・カーク氏。SHとしてチームを優勝へ率いた後、代表チームを含めたアマチュア時代当時のトップレベルから一度は引退。しかしその後、オックスフォード大学修士課程への留学の為に渡英し、同大学のラグビー部の一員として1988年に日本へ遠征し、日本代表を23−12で下したことも。
 英国留学からニュージーランドへ帰国した後は、医師の資格を持ちながらも、ビジネスや政治の世界に身を投じ、輝かしいキャリアを築いている。現在はオーストラリアのシドニーで暮らすカーク氏に、開幕まで1年と迫った今、日本で開催されるワールドカップの意義を語ってもらった。

「世界のラグビーにおいては、ティア2国(中堅国)としての立場にありますが、日本は押しも押されぬ経済大国で、文化的にも多くの見どころがある国。来年のワールドカップのために、初めて日本という国を訪れる人も多いでしょうし、そうした人たちの多くは、ラグビー以外の面でも日本の文化を体験してみたいと考えて、日本行きの予定を立てると思います」

 試合のチケットは既に一般に販売されているが、日本行きの航空券や宿泊の予約は通常、1年から9か月以上事前におこなうことができない。日本での観戦チケットを手にした世界の熱心なラグビーファンたちの多くは、これから日本滞在中の予定を決める。カーク氏の言葉は、そんな世界のラグビーファンたちの声を代表する。

「ワールドカップの開催国は、現実的に優勝を狙える国でなければならない、ということはないと思います。ワールドカップとは、参加する全ての国のためのものであり、開催国のためではありません。開催国として大切な要件は、成功と言える大会を開催できることです。日本での大会が成功を収めれば、これまでに大会の開催経験がないティア2国への希望につながる、いい前例になります」

 第1回大会優勝チームの主将として、大会の顔となるべき姿を見せながらも、後輩たちの戦いの行方には、期待、不安、そして興奮の入り混じった言葉も。

「今のチームは世界1位の座にいる訳ですから、当然自信を持って本命はオールブラックス(ニュージーランド代表)だと思います。最近のテストマッチでもいいパフォーマンスを見せていますし、今の時点での優勝候補としては大本命ですが、1年というのは意外と長いものです。常に怪我で選手を失う可能性を抱えているのがラグビーというものですし、本当に一つのプレーで結果が変わってしまう試合にも直面するかもしれません。だから、ワールドカップのような大舞台は、おもしろいものなのですけどね」

 ワールドカップ開幕まで、あと1年。世界のラグビーファンたちの目が、ますます日本へと注がれていく。
(文:竹鼻智)

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