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「留学生3人? 出るなら出てこい」。中大が誇る小さな核弾頭、鬼頭の気迫。


充実の夏を過ごした中央大の鬼頭悠太(撮影:福島宏治)

 着想が勇ましい。

「僕は身体が小さいんですけど、東京ででかいやつらを相手に、小さくてもできるということを証明したい」

 中大ラグビー部でFW第3列を務める鬼頭悠太は、大阪桐蔭高を経て上京した理由をこう話す。もともと関西の大学を希望していたが、母校の指導者らの勧めもあり関東大学リーグ戦1部のクラブへ挑戦することにしたのだ。下級生時から出番を得て、3年目の今季は次代のリーダー候補との格好だ。

 身長170センチ、体重94キロと小柄だが、相手の背後に抜け出す突進と強烈なタックルで存在感を発揮。中山浩司ヘッドコーチからも「今年はリーダーシップも発揮してくれている。雰囲気を作るのもうまい」と信頼されている。

「中大は盛り上げないと良くなっていかないので、声でもプレーでも引っ張っていける存在になりたい。身体が小さい分、スピードと空いたスペースに入ることを心がけているところです。正面に入るとでかい相手に抱え込まれる。(タックルから)半身をずらしてスピードよく入っていくと、ちょっとでも前に出られるし、良ければラインブレイクできる」

 昨季のリーグ戦では8チーム中5位で大学選手権出場を逃した。今季はリーグ戦の選手権出場枠が4から3に減ると同時に、外国人の同時出場枠が2から3に増える。大東大などの上位陣と違って留学生選手を持たない中大にとっては、試練のシーズンが待ち構えている。

 しかし、「1人よりも2人、2人よりも3人。人の数で勝っていくのが僕らのラグビー」と鬼頭。この人の「でかいやつらを相手に」の気概は、クラブのお家芸たる献身的な防御ともイコールで結ばれる。

 中大は9月16日、長野・Uスタジアムで法大と今季初戦に挑む。以後は昨季優勝の大東大などの外国人選手とも対決するが、春の時点で鬼頭は言っていた。

「(留学生は)出るなら出でこい、と思います。バチバチタックルに行って、最後には僕らが勝利する。中大は皆でまとまるチーム。日本一ノリのいいチームを目標に掲げ、留学生を相手にも低いプレーで勝っていく」

 トライが決まれば応援席の部員が「中大ブギウギ」と歌う。「勢い」を自家発電するチームにあって、鬼頭が巨木をなぎ倒す。
(文:向 風見也)

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