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古豪ワイカト、ニュージーランドで117年の歴史ある『盾』を奪還!

ランファーリーシールドを奪還したワイカト。伝統の盾を手にするのは、かつて九州電力や宗像サニックスでもプレーしたことがあるドウェイン・スウィーニー主将(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドの国内ラグビーでは、シーズン中にもプレーオフ同等の熱気が巻き起こることがしばしばある。マイター10カップ第4節、タラナキとワイカトの強豪同士による対戦は、ただのシーズン中の一節以上に注目を集めた。この試合を特別たらしめる要因は3つ。ともにスーパーラグビーではチーフス地域に属し、ライバル関係にあること。両者ともにシーズンの立ち上がりが不調であり、巻き返したいこと。そして、もう一つが、ある『盾』の存在にあった。

 同国国内ラグビーにおいて、リーグ戦とは別にある『盾』をめぐる戦いが繰り広げられる。その名はランファーリーシールド(愛称 Log o' Wood)、同国において1世紀を超える歴史を持つトロフィーだ。この盾の争奪戦は1902年、当時のニュージーランド総督ランファーリー伯爵が寄贈したことに起源をもつ。一度負ければ即勝者に譲渡されるチャレンジ制をとるこの争奪戦において、シールド保持者は勝ち続けることで地域の誇りを保つことができる。
 1976年の国内リーグ(NPC)開始以降はリーグ戦と並行してこの争奪戦がおこなわれているため、かつてほどの注目はなくなっているかもしれない。しかし、多くの国民にとっては、今もなお国内ラグビーにおける最も権威のあるトロフィーであり、保持する地域にとっては誇りの象徴なのである。

 昨年カンタベリーへの挑戦を成功させて以来、その盾を保持していたのがタラナキであった。歴史を振り返れば、タラナキ、ワイカト両者がこの盾をめぐって戦うのはこれまでも数多くあった。過去タラナキが盾を保持していた6回のうち、2回同じ相手に明け渡したのがこの因縁のワイカトだったのだ。

 そして2018年9月9日、歴史は繰り返す。

 19−33。勝者ワイカトは1勝以上に雄叫びをあげ、敗者タラナキは1敗以上に肩を落とした。

 ワイカトがランファーリーシールドを手にするのは2年ぶり11回目である。試合翌日には地域に盾を持ち帰り盛大なセレモニーが開かれた。
 しかし、そう簡単に気を抜くことは許されない。次戦に控える相手が、過去にわずか1試合で名誉ある盾の奪還を許してしまったホークスベイだからだ。今季3勝1敗と勢いがあるチームに、ワイカトは盾を守ることができるだろうか。
 ニュージーランドの『盾』をめぐる戦いは、絶え間なく続いていく。
(文:飯嶋進策)

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