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指揮官の言葉支えに怪我克服。復活した大型SH、トヨタ自動車・岩村昂太。


爽やかな笑顔の岩村昂太。充実の網走キャンプを過ごしている(撮影:多羅正崇)

 トヨタ自動車で3年目のSH岩村昂太が、笑顔で北海道・網走に戻ってきた。

 網走で夏季キャンプをおこなっているトヨタ自動車は、8月1日午後、網走スポーツ・トレーニングフィールドで練習。

 キャプテンの姫野和樹をはじめ、今年6月にSH茂野海人とそろっての副キャプテン就任が発表されたSH岩村も、元気な姿を見せた。

 膝に重傷を負ったのは、昨年の網走キャンプでのこと。練習試合だった。

「前十字靱帯断裂と内側側副靱帯断裂です。(膝の大怪我は)初めてでした」

 福岡・りんどうヤングラガーズ、東福岡高、同志社大と進んだラグビーキャリア。

 身長181センチの大型SHとして将来を嘱望され、トヨタ自動車1年目で、トップリーグ10試合に出場(9試合先発)。広い視野から、鋭いパスワークでチャンスを演出し続けた。

 しかし昨年度は怪我によりトップリーグ出場はなし。その一方で、チームは元南アフリカ代表ヘッドコーチのジェイク・ホワイト監督のもと、リーグ戦を10勝3敗で駆け抜けるなど、前年度の8位から4位に躍進した。

「チームは良い成績を残していて、なにもできていない、という悔しい気持ちもありました。でも、そこまで落ち込むことはなかったです」

 支えになった言葉があった。

 膝に重傷を負った、その日の夜のことだった。同期入社の仲間や、当時1年目の姫野キャプテンが部屋を訪れてくれた。

 そしてもう一人、南ア代表でワールドカップ優勝を経験した、元教師の指揮官の訪問も受けた。

「怪我をした夜、同期や先輩、姫野も部屋に来てくれました。あとジェイク(・ホワイト監督)も来てくれて、『ワールドカップの1年前に復帰できるんだから、全然大丈夫だ』と。『今までずっとコーチしてきて、大きい怪我をしたやつは、もっと強くなって復活してくるから心配するな』と」

 世界的名将の言葉だからかもしれない。人柄かもしれない。その言葉がずっと頭に残った。

「その言葉に“救われた感”はあります。リハビリ中も、ずっと頭にありました」

 手術を経て、今春にはチーム練習へ復帰することができた。6月には約10か月ぶりの試合出場。トヨタ自動車のファンを安心させた。

 8月31日には、いよいよトップリーグの新シーズンが開幕する。爽やかな笑顔の24歳が、満を持して3年目のシーズンへ向かう。

「ジェイクは結果を出せば使ってくれる監督です。『全員にチャンスがある』ということは言っています」
 
 トヨタ自動車の今季トップリーグ初戦は、いきなりのビッグゲーム。

 2連覇王者のサントリーと、9月1日(土)、愛知・豊田スタジアムで激突する。
 
 チームスローガンは昨季に続いて『NO EXCUSE!』だ。言い訳をしない集団の中で、今こそひと回り大きくなった姿を披露したい。
(文:多羅正崇)

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