W杯

釜石鵜住居復興スタジアムへ行ってきた。自然との調和、希望を感じる場所。

自然との調和を大事にした。(撮影/松本かおり)


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地元の杉を使ったシート。大槌湾が近い。(撮影/松本かおり)


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シートだけでなく、いろんなところに木の温もり。(撮影/松本かおり)


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素朴な材質をふんだんに使う中で芝は最先端。(撮影/松本かおり)


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ふたつのロッカールームは広々。青とオレンジに分けられている。(撮影/松本かおり)



 山の深い緑と青い空と海。その中へ、自然にとけこんでいた。
 ラグビー愛の深い地元旅館、宝来館の女将、岩崎昭子さんの言葉がよかった。
「素晴らしい人の集まる原っぱ、です」
 2019年に日本各地で開催されるラグビーワールドカップの試合開催会場のひとつ、釜石鵜住居復興スタジアムのことだ。
 自然との調和をテーマに作られた同スタジアムの完成にあたり、8月3日、メディアツアーがおこなわれた。

 鵜住居は「うのすまい」と読む。2019年大会で使用される12会場の中で、唯一新設されたスタジアムだ。
 2011年の東日本大震災時には津波で多くの犠牲者が出た釜石。鵜住居も例外ではなかった。しかし、今回スタジアムが建てられた場所にもともとあった鵜住居小学校と釜石東中学校の子どもたちは、日頃の訓練の成果もあり、全員が無事に避難した。
 だから地元の人たちは、「震災からの復興が進む姿を発信する場所にしたい」と願っている。

 39億円をかけて作ったスタジアムは昨年3月に着工し、今年7月いっぱいで完成した。現在は常設の6000席しかないが、ワールドカップ時には仮設スタンドを設置し、1万6000人のファンを収容することができる。
 自然との調和は見た目だけではない。スタンドのシートの約5000席は木製で、それは地元の杉を使った。大量に伐採したわけではなく、2017年に釜石で起きた山火事で(表面が)焼けるなど被害にあったものを利用した。
 また、木製ではない「絆シート」は全国各地のスタジアムから譲り受けたものだ。旧国立競技場に設置されていたものや、改装した熊本県民総合運動公園陸上競技場、東京ドームから善意が届いた。

 メインスタンド中央部を覆う大きな屋根は白いターポリン(防水布)を使用しており、金属製のものより温もりを感じる。デザインコンセプトは、羽ばたく鳥の羽であり、出航する船の帆。未来への前向きな意志を連想させる。
 シンプルな素材を使用している中で最先端を走っているのは緑の絨毯。これはフランス産のハイブリッド芝で、ラグビー特有のハードな動きに耐える強さと安全を守るクッション性を持つもの。現地から船で釜石港に運ばれた。

 同スタジアムのある場所はJR釜石駅から車で15分強かかり、現在は交通の便が良くないが、ワールドカップまでには整備が進む。
 現在建設中の高速道路が完成すれば最寄りのインターチェンジから10分もかからず、来年3月にはJR山田線の鵜住居駅が徒歩5分ほどのところにできる。
 今月19日には釜石シーウェイブス×ヤマハ発動機のオープン記念試合が実施され、スタンドを満杯にするファンが訪れると予想されている。







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