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39年ぶりのリベンジならず… 福岡名門・筑紫丘高校 東京遠征記

筑紫丘(黒)×國學院久我山。お互いファーストジャージーで対戦
(写真提供:筑紫丘高校ラグビー部)

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アカクロとの対戦は前半攻防で敗れた(撮影:見明亨徳)


 福岡県の名門校、県立筑紫丘高ラグビー部が「2018年東京遠征」を夏休み中の7月27日〜29日まで実施した。指導者は昨年、母校に復帰した荒牧祐司部長だ。28日は國學院久我山、29日、早稲田実業とそれぞれ練習試合をおこなった。今回の遠征は39年前、花園ラグビー場で敗れた「第59回全国高校大会(1979年度)」のリベンジがかかっていた。この大会に筑紫丘は念願の全国大会初出場を勝ち取っていた。
 初戦、花園第3グラウンド。相手は前年度全国優勝の國學院久我山。試合は24-4で久我山が新顔を制した。当時はトライの点数が4点、トライ数は前半が3-0、後半1-1。
 筑紫丘の選手の中に3年生の荒牧部長がいた(センターで出場)。「久我山は前の年に全国一になっているのは知っていたがどういうチームか知らなかった。勝てるだろう」と臨んだが敗れた。「当時、何故負けたのか分からなかった」。この敗戦が荒牧部長の進路を変えた。「ラグビーを追究したい」と体育教師になるため大学での専攻を国語志望から体育へ。広島大教育学部へ進み体育教師を目指した。
 卒業後、福岡県の臨時採用教員となった。そして母校のコーチ1年目の1985年に花園出場を勝ち得た。その後、本採用になり2017年春、筑前高での15年間の指導を終えて母校へ異動した。

 今年、夏の遠征話が出た。「行くなら久我山と試合をしたい」という荒牧部長の思いに周囲が応えた。OB会は資金面などでの援助を募った。対戦相手、久我山とのパイプは角博ヘッドコーチ(旧姓・矢ケ部)が担った。角コーチは早大ラグビー部出身で1984年度の主将だった。早大1年先輩の主将が久我山の土屋謙太郎監督。話はまとまり遠征が実現した。もう一つ荒牧部長の希望は「ファーストジャージー」での対決だ。39年前はお互いセカンドジャージーで筑紫丘は白黒、久我山は黄で戦った。「ファーストジャージーの黒で戦うことで選手にも誇りを持って欲しい」。この願いもかなえられた。

 そして7月28日の試合、台風12号の影響で中止も予想された。実際、最初の予定グラウンドだった学習院大は閉鎖で久我山へ変更となった。試合中、天候はもった。多くの筑紫丘OBが声援するもトライ数は筑紫丘4、久我山9。リベンジはならなかった。荒牧部長は「うちの強みがなかなか出なかった。でもバックスで3本トライを取り切った」と満足気だった。その夜は都内ホテルにOB、現役生など150名が集まり懇親会を開催した。

 翌日29日、早実グラウンド。早実との対戦は早実が前半15分で3本トライを奪い、トライ数4-2(前半4-1)という結果になった。それでも後半は筑紫丘が試合をリードして1トライ決め、早実に勝っていた。
「早実の方がファーストジャージーを着る気持ちが入っていた。後半はトライを1つでも取れればできる気持ちになる。負けるパターンは先制されて自分たちのペースを見失い、できる子たちが自分で動いてしまう」(荒牧部長)

 今回の遠征で先生はもちろん選手たちも多くのことを学んだ。筑紫丘は今年春の県大会初戦(ベスト16、4回戦)で小倉高に7-14で負けた。去年の全国大会予選(準々決勝)と同じ相手、スコアだった。今年の福岡県は王者・東福岡以外は筑紫丘はじめ筑紫、福岡工業、東筑、福岡高、小倉、修猷館、東海大福岡などが2位を競っているという。
 福岡に戻ると例年の校内合宿はおこなわず8月11日から大分県久住での夏合宿に出向く。そして「第98回全国大会県予選」へ。29年ぶり4度目の花園出場(3度目は1989年度「第69回大会」)を果たし、久我山に聖地でリベンジを手に入れたい。
(文:見明亨徳)

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國學院久我山との試合後エールの交換(写真提供:筑紫丘高校ラグビー部)

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筑紫丘、荒牧部長の思いが遠征を実現した。7月29日、早実グラウンドにて(撮影:見明亨徳)

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