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「17対14」は忘れない。闘志秘める帝京大・菅原貴人。

ジャパンセブンズでの菅原貴人。ラストイヤーに燃える。(撮影/松本かおり)



 大学選手権9連覇中の帝京大だが、今シーズンは春季大会の7連覇を逃した。

 4月30日の明大戦に3点差(14−17)で敗れたことが響き、4勝1敗で2位フィニッシュ。
 2012年開設の春季大会を初制覇したのは、5戦全勝の明大だった。

 7月1日に東京・秩父宮で「なの花薬局ジャパンセブンズ2018」がおこなわれ、この日日本協会推薦枠で参加した帝京大は、トーナメント初戦の東海大戦に敗れて順位決定戦に回ったものの、天理大、そして明大に連勝して総合5位となった。

「大会2日前に集合して、セブンズのための練習をしました」(FL菅原貴人/4年)

 7人制ではあるものの明大相手の連敗を止め、練習の成果を見せる格好となった。

 しかし15人制の借りは15人制で返したい。
 
 ジャパンセブンズに帝京大の一員として参加していたFL菅原は、春季大会の明大戦を成長の糧にしようとしている。

「(春季大会で明大に)負けてしまったことで、もう一度自分たちを見つめ直しています。『4月30日の17対14』を忘れずに、日々の練習で自分がどうなりたいのかという意志を持ち続け、最終目標へ向かって一人ひとりやっていきたいです」

 敗戦スコアとなった「17−14」。
 今季の帝京大メンバーで、その数字を忘れている者はいないかもしれない。

「(17−14のスコアは)クラブハウスのいつでも見ることのできる場所にあります。そのスコアをケータイのホーム画面にしている人もいます」

 王者は危機感のただ中にある。

 身長185センチ、体重100キロ超のFL菅原は、ラグビーを始めた奈良・御所中ではCTB、高校3年時に花園決勝を経験した御所実では主にLO。

 帝京大では、LOだけでなくFLとしての経験も高め、今シーズンの春季大会では4試合に6、7番で先発起用されている。

「1年の時の(マルジーン・)イラウアさん、2年の時の亀井さん(亮依)など、いろんな先輩の姿を見ています。先輩方に負けないくらいのフランカーになりたいと思っています」

 帝京大ラグビー部の4年生は、掃除や食事の用意を含めて多くの役割を求められる。FL菅原は柔和な笑みを浮かべながら、チームの和を重んじたいと言った。

「下級生を引っ張っていくこともそうですし、下級生を育てていける存在に、という事は意識しています。特にコミュニケーションは大事にしています。帝京の良いところはフラットに話せることころだと思っています。先輩後輩関係なく仲良くやっていきたいです」

 まもなく夏合宿の季節がやってくる。
 帝京大は長野・菅平で、明大A(8月14日)、早大A(8月19日)、天理大A(8月23日)との練習試合を予定している。

 夏が終われば9月9日の早大×筑波大で、対抗戦Aの火蓋が切られる。帝京大の初戦は9月16日の成蹊大戦(秩父宮)だ。
 
「15人制でも良いイメージを持ってしっかりやっていきたいと思います」

 笑顔の裏に闘志を秘めている。危機感をまとった王者の最前線で、FL菅原が新春へ向かって高みを目指す。
(文/多羅正崇)







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