セブンズ

松井千士、リオ五輪以来のセブンズ代表入りへ抱く「自信」。

松井千士。過去にワールドセブンズシリーズを経験し、15人制日本代表では2キャップを持つ
(撮影:向 風見也)


 根拠のある「自信」を胸に、今度こそオリンピアンになる。

 同志社大時代から甘いマスクと俊足で注目されたサントリーの松井千士が、6月28日からのセブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)の府中合宿に参加した。13日から24日までのSDS北海道合宿に続き招集された。

 SDSとは、男子7人制ラグビー日本代表候補に相当するグループ。松井が7人制のナショナルチームへ関わるのは、この6月が2016年夏のオリンピック・リオデジャネイロ大会以来のことだ。当時の松井は大会直前にバックアップメンバーに回り、チームが4位入賞を果たすのをスタンドから見守った。

 2020年の東京大会では、ファーストジャージィを着てメダルに近づきたい。

 初日のトレーニングを終えると、練習会場の東京・朝日サッカー場で力強く語った。

「メンバーがガラッと変わっていますが、皆がオリンピックを目指している。僕は遅れて入ってきた身なので、周りとの差を埋めていきたい」

 失意の落選を思い返す。当時は、アスリートを支える根幹の領域に課題があったという。

「自分が何より感じたのは、大きな大会やオリンピック直前合宿など、ここ一番のところで力を出せなかったことです」

 勝負強さが必要だと思った。「16年の時は、自信がなかった部分が多かったと思う。何か自信をつけないといけない」。いかなるステージへも「自信」を持って立つために、2017年入社のサントリーで「フィジカル、スピード」という具体的な項目を再点検。社業で使う自動車のなかで栄養補助食品を口にし、自室には就寝前専用のプロテインやサプリメントを完備した。リオデジャネイロにいた頃は70キロ台だった体重を、自己改革によって83キロへ引き上げた。

 そしてルーキーイヤーだった昨季は、10月のパナソニック戦で足を怪我するまで5試合に出て5トライをマーク。国内上位の15人制の舞台で手ごたえをつかみ、故障が治った今回のタイミングで7人制の舞台へ再挑戦する。

「怪我をした後ですが少しずつスピードも取り戻せている。どんどん自信をつけていけば、大きな大会でもいいパフォーマンスができると思います」

 7人制と15人制は似て非なる競技だ。同じ広さのグラウンドでもプレーする人数が違うため、7人制では運動量とスピードの継続性がより求められる。

 そのため15人制の専従選手が7人制に転じる際は、身体のキレを求めるべく体重を落とす。もっとも松井は、「僕自身はもともと軽い方。世界で戦うならどちらにせよもっと体重をつけた方がいい。そこは他の選手と比べたら楽なほうです」。当面は7月のワールドカップセブンズ(サンフランシスコ)など7人制の活動へ照準を合わせる。

「いまは7人制の合宿に来させてもらっているので、7人制のことしか考えていません。そこから帰って行ってサンゴリアス(サントリー)の試合に出られるようになるのは難しいと思うのですが、セブンズでしっかりと成長して帰れば評価もしてもらえる。ナーバスに考えず、やっていきます」

 大きな「自信」を持って決意を明かす。松井らSDSは、7月1日のジャパンセブンズ(東京・秩父宮ラグビー場)に参加予定だ。
(文:向 風見也)

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