セブンズ

男子7人制日本代表は、グラウンド外からもメダルクオリティを突き詰める。


小澤大。今夏はセブンズW杯、アジア大会、2年後は東京五輪という目標がある(撮影:向 風見也)

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男子セブンズ日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチ(撮影:向 風見也)


 2020年のオリンピック東京大会開幕まで約2年。メダル獲得へ向け、男子7人制日本代表が新体制を発足した。

 6月就任の岩渕健輔新ヘッドコーチ(HC)は言う。

「ラグビーの具体的戦術はコーチがおこなっています。私の方からはメダリストのスタンダード、メダリストの準備とは何かといったことをまず伝えています」

 28日、うだる暑さの東京・朝日サッカー場。代表候補にあたる男子セブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)が、府中合宿で最初のトレーニングを実施する。いきなりトップスピードでの実戦練習が始まるため、ウォーミングアップはその前に各自でおこなわねばならない。岩渕HCの説明。

「メダルを取るための練習強度は、選手たちに数値でも伝えています。7人制は14分でゲームが終わってしまう。練習の最初、試合の最初は大切にしていきたいと思っています」

 以後は合間、合間にラインアウトやパススキルの確認を挟みつつ、試合に似たメニューに連続させる。トータルで約2時間。小澤大主将はこうまとめた。

「ひとつひとつの練習がつながっていて、やりたいことが明確になっている。自分たちにとってもやりやすくなっています」

 岩渕新HCが正式着任後、4〜9日に山梨で、13〜24日は北海道でS&C合宿を実施した。北海道にいた23〜24日は、定山渓グラウンドでピリカモシリセブンズ大会に参加。SDSという名義で国内外のチームと戦ってきた。

「個人の練習に入る前の準備に重点を置いています。最初から100パーセントでやる。そのためにどれくらいウォーミングアップが必要なのかは人それぞれだと思いますが、それはこういう(最初からフルスピードでおこなう)練習を通してでないとわからない」

 こう語る小澤主将によれば、ニュージーランド出身のダミアン・カラウナ前HCが「スキル系」の練習を主体としていたのに対し、いまは「フィットネスなどの土台を上げている」。前任者時代にはなかった早朝練習も導入し、時間のかかるフィジカリティや持久力の強化にも真正面から取り組む。攻防のシステムは以前と差はないものの、岩渕体制下では以前よりも各種プレーの精度にこだわるようになったという。

「細かいスキル、ファンダメンタルにもフォーカスしています。クイックネス、しつこさは高めないといけない。ラック周りでのスペーシング、ひとりひとりの動き出しの意識を変えられたら」

 グラウンド内での鍛錬と同時に、グラウンド外での多角度的なアプローチにも注力する。

 2016年のリオデジャネイロオリンピックでは4位入賞を果たしたが、いまの日本代表は世界で「15、16番」あたりだろうと岩渕HCは見る。

「(世界サーキットのワールドシリーズに出た際の)タックル成功率、被トライ率、ブレイクダウンでのボールの継続率。いろいろな数値を出すと、やはり15、16位なんです」

 だから東京大会でリオ大会優勝のフィジー代表を倒すとしたら、無形の力も総動員させねばならないという。

 北海道合宿時からは、毎朝選手の唾液を採取して疲労度をチェック。コンディション作りの参考にする。7月のワールドカップセブンズでサンフランシスコへ行く際は、専門家を招いてより良い睡眠をとるための個別指導、メンタルトレーニングを施す。天気予報のデータをスケジューリングに活かす習慣は、2016年のリオオリンピック前から継続している。

 男女7人制日本代表の総監督も兼ねる岩渕HCは、こう締めた。

「ラグビーのスキル(を高めること)は当然として、いろいろなことをして勝つ可能性を高めていく。それを2年間、継続しなくてはいけないと思います」

 今回の府中合宿への参加組は、7月1日のジャパンセブンズへSDSという名義で出場する。パフォーマンスが注目される。
(文:向 風見也)

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