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エリア取ってスクラム押した。日本代表、ツアーの収穫は?


相手が蹴ったボールをキャッチする日本代表のFB野口竜司(撮影:松本かおり)

<リポビタンD チャレンジカップ2018 第3戦>
日本代表 28−0 ジョージア代表
(6月23日/愛知・豊田スタジアム)


 日本代表がジョージア代表に28−0と勝利。現体制下では昨年5月の香港代表戦以来2度目となる完封劇で、6月3連戦を勝ち越した。

 雨のなかよく陣地を取った。

 キックの距離や高さに変化をつけていたSOの田村優は「皆がさぼらずやっていたら、相手がミスをしてくれて」。球の行く先では味方が鋭いジャンプとタックルを繰り返していて、相手をその場で滞留させた。

 ジョージア代表が蹴ってきた場合も、FBの野口竜司がその弾道を真正面から受け止め続けた。序盤こそ両端奥側にキックを通されたが、「試合途中で(立ち位置を)修正してカバーできた」。今度のツアーで初先発という立場ながら、事前の分析で見られなかったプレーへ対応できた。

 前半32分の追加点のきっかけは、その野口の動きだった。

 まず自陣22メートル線エリアでの冷静なフェアキャッチからの突破とキックでエリアを挽回。向こうの蹴り返しを捕ってさらに走ると、敵陣でペナルティゴールを得た。

 6−0。その前に2本のペナルティゴールが外れていただけに、かえってこの追加点が貴重に映った。

「雨でボールが滑るし、取りたい時に取れないイライラする展開が続く。ここで常に集中し続けるようにという話はしました」とは、堀江翔太だ。

 一昨年に組まれた同カードでは、見せ場のスクラムで向こうの世界的な強さに難儀していた。しかしこの日は最前列中央のHOとして、「彼らの強みを抑えられた」と話す。

 特に9点リードで迎えた後半9分は、右PRの具智元が敵陣ゴール前左で相手ボールの1本を押し返す。落球を誘い、まもなくLOのヴィンピー・ファンデルヴァルトらが16−0とした。肝となったスクラムに関し、堀江は「ぐーくん(具)中心に仕掛けようと話し、ガッキー(左PRの稲垣啓太)も『いつでも行ける』。そこでゴーサインを出した」。チームは以後も着実に加点し、田村は「ベストゲームだった」と安堵する。

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ就任から約1年半が経ち、選手たちは試合当日の朝にミーティングを開くなどボトムアップ型の組織を作っている。指揮官も、このような選手の能動性を勝因に挙げる。

「コーチの手元を離れて意思統一…。これは本当に特別なこと」

 勝利後の談話からは前向きな言葉が多く漏れた。ただこの日のジョージア代表は勝負所のラインアウトを何度もミスし、得意のモールはあまり組めていない。現在は力勝負重視から展開力重視に移行している最中とあり、パス回しも乱した。ミルトン・ヘイグ ヘッドコーチは「最高の状態を出せなかった」と肩を落とす。

 2019年のワールドカップ日本大会では、日本代表はより格上とぶつかる。HO堀江は手綱を締める。

「もっと精度を上げないと。あれがこれがというより、すべてにおいて(レベルを)上げないといけない」

 9日、16日のイタリア代表戦はそれぞれ白星、黒星だった。田村は「僕もチームも波をなくし、スタンダードを上げたい」。わずかな隙も許されないことを再確認できたのが、ツアー中最大の収穫か。ジョージア代表戦という「好試合」からも、隙となりうる項目を見出し解決に努めたい。
(文:向 風見也)

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