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古巣レッズに勝ったサンウルブズのカーク、「いつもの勝利より甘い」。


レッズ戦でスクラムを組むエドワード・カーク(撮影:松本かおり)

 ノーサイド。サンウルブズのエドワード・カークが、対するレッズの選手と順に抱擁を交わす。他の味方選手のそれよりも、ほんの少しだけ長く。

 5月12日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦して3季目のサンウルブズが、オーストラリアのレッズを63−28で破っていた。今季10戦目で初勝利だ。「素晴らしいフィーリングです」と喜んだのは、レッズ出身のカークだった。

 サンウルブズには発足した2016年から在籍も、それ以前はレッズのホームであるクイーンズランド州の生え抜き選手だった。シーズン初の白星を古巣から奪った感慨を語る。

「サンウルブズで3年間、やってきましたが、その前に自分が成長してきたチームを制したことは嬉しい。いつもの勝利の味より、甘いかもしれません」

 その直前までいたロッカールームでは、楽しい時を過ごしたのだろう。手には水色の缶入りドリンクを持っていて、ほほは赤くなっていた。

 試合中、とても気合が入っていたように映ります。そう聞かれると、弾む声を返す。

「多少、それはあるかもしれません。いいパフォーマンスができたと思います」

 身長191センチ、体重108キロの26歳はこの日、オープンサイドFLとして先発。接点の球へ絡みつく働きで防御を下支えした。特にサンウルブズがミスでボールを失った瞬間、レッズが大きな突破を決めた直後などにその腕を伸ばした。チーム発足史上最多となる63得点に直接絡むことはなかったが、黒子の仕事は全うした。

 これまでチームの課題だった守備が安定した理由については、「SOのヘイデン・パーカーたちが大きなキックを蹴るなどして、(防御網を整えるための)時間をしっかり使っていた。失敗した時に何がいけなかったのかを考えて実行できたのもよかった」とカーク。一瞬の隙を突かれて失点する場面もあったが、問題点はその場で改善されたようだ。

 19日に香港でおこなわれるストーマーズ戦が終わると、チームに参加する日本代表選手は6月のテストマッチ(国際真剣勝負)に向けチームを離脱。5月下旬と6月上旬に予定されるスーパーラグビーの第15、16節は、カークら同国代表資格を持たない選手らの活躍の場となる。
(文:向 風見也)

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