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コミュニケーションと進化。パナソニック、サントリーの攻めをどう止める?


10月に対戦したときは21−10でパナソニック勝利。トライ数は2−2だった(撮影:塩隆)

 ラグビーの日本選手権を兼ねた国内最高峰トップリーグのプレーオフは、1月13日、東京・秩父宮ラグビー場で決勝戦をおこなう。

 両タイトルの2連覇を目指すサントリーに挑むのは、一昨季まで3年連続2冠達成のパナソニックだ。

 シーズン終盤戦からゲーム主将だったオーストラリア代表66キャップのデービッド・ポーコックは、日本代表5キャップの布巻峻介主将とともにFLで先発。やはりオーストラリア代表として51キャップを取得してきたSOのベリック・バーンズも、故障離脱から復帰してスターターに戻ってきた。充実の布陣で王座奪還を目指す。

 決戦2日前となる11日は群馬県太田市の本拠地で調整。陣営からは、組織防御の徹底や反則厳禁などといったキーワードが出た。

 日本代表として19キャップを持つ左PRの稲垣啓太は、「ペナルティをどう減らすか」。相手に攻撃権や得点機を渡す反則を減らしたいと強調。とはいえ「うちのチームは正直、最近はペナルティが増えている」とも話す。

 パナソニックは、皆が揃って攻防の境界線を飛び出す防御システムを採用する。はまればより敵陣ゴールラインに近い位置でボールを奪える。一方、起点となるブレイクダウン(ボール争奪局面)で押し込まれたままで守備ラインを上げると、防御側の選手がボールより前方でプレーしていたとみなされ、オフサイドと判定される。

 構造上の問題を解消すべく、稲垣は「半歩」への意識を強めたいとする。

「(防御ラインに入った選手が)行こう、行こうと意識するあまり、立ち位置が(攻防の境界線よりも)前になる。その時点で、オフサイド(反則)になる。その半歩の差がペナルティになるかどうかが決まるので、そのあたりの意思統一はしていきます」

 横一列の守備網を作るには、大外から全体を眺めるWTBらの声の掛け合いが欠かせないとも続ける。

「一番、外の人間がどれだけ声を出せるか。内側(接点に近い場所)の人間がどれだけそれを意識し続けられるか…。そういうコミュニケーションが大事になります。声が大きいか小さいというレベルではなく、いかに(伝達内容が)伝わるかです」

 リーグ戦の同カードは10月21日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場であり、パナソニックが21−10で勝っている。この日は後半、要所でポーコックが攻守逆転を連発。前半の8−10からスコアをひっくり返した。

 他方で失点場面では、サントリーが組織的な崩しでパナソニック防御のスペースを意図的に創出。グラウンドの外側でのラインブレイクを重ねている。そのため就任4年目のロビー・ディーンズ監督は、記者団の1人から「サントリーがパナソニックをどう攻めるかについて明確なイメージを持っている印象。どう捉えるか」といった旨の質問を受ける。

 かつてオーストラリア代表を率いるなど経験豊富な指揮官は、柔軟な態度でこう応じる。

「もちろん、仰る部分はサントリーさんにはあった。ただ、我々の今週のディフェンスは、前回のそれよりもいい。修正、進化の内容は言えませんが、我々もあの時から成長している。サントリーの仕掛けを分析し、どう止めるかが我々のチャレンジで、それがどういうものかを指摘するのが皆さんのチャレンジです」

 国内タイトルを統一する頂上決戦にあって、稲垣は「リーグ戦では勝っていますけど、決勝という舞台で勝たないと意味がない。そこで前年度の準優勝というイメージを払しょくしたい」とも話す。14時15分のキックオフが待たれる。
(文:向 風見也)

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