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ラスト12分、2トライで逆転勝ち。ワセダ、伝統の早慶戦で笑う。

終盤に動き勝った早大。写真は勝利を呼んだSH齋藤直人。
(写真/松本かおり)


 23-21。11月23日、雨の上がった秩父宮ラグビー場でおこなわれた早慶戦は最後に赤黒のジャージーが笑った。
 静かだった試合が動き出したのは後半の半ばを過ぎてからだった。
 それまではミスでぶつ切りの試合。両チームの指揮官とも前半を振り返って、「キックゲームに付き合ってしまった」と振り返った。

 慶大が2トライを奪い、早大は3PG。黒黄はブレイクダウンでプレッシャーをかけて2トライを奪い、相手にテンポを与えなかった。
 14-9で迎えた後半23分、慶大は右タッチライン際でキックを受けたFB丹治辰碩がライン際を駆け上がり前進。その後の展開にも、もう一度加わってゴール前へ。そこから左へフェーズを重ねた攻撃をLO辻雄康が仕上げて21-9とした。残り17分で12点リードの慶大側に、勝利の天秤は大きく傾いたように見えた。

 しかし、そこでスイッチを入れたのは早大だった。9月からアタックに重点を置いて練習を重ねて来た。走る量も増やした。LO加藤広人主将は「本当なら自分たちから仕掛けていかないといけないところですが、リードされたことで攻める意識を強く出せた。終盤は自分たちの方が走れていると感じました」と振り返った。
 27分過ぎ、自陣からフェーズを重ねてボールを動かし続け、最後はFL佐藤真吾が右スミに飛び込んだ。32分過ぎ、またも攻め続けて右中間にLO加藤主将が飛び込む。佐藤のトライ後のコンバージョンは右端からと難しい位置からのものだったが、SH齋藤直人が2本とも決めて逆転(23-21)。そのままフルタイムを迎えた。

 早大の9番、齋藤は殊勲者のひとりだ。
 はやい球さばきで味方のテンポを上げ、相手のオフサイドを誘った。そして2G3PGと、狙ったキックはパーフェクト。山下大悟監督は、PG機(後半6分)のやりとりを明かし、キッカーの自信を伝えた。
「上(首脳陣)からは狙えと指示したのですが、(SOの)岸岡は逆風だからキツイと。しかし齋藤自身がイケる、と言って決めた」
 指揮官は終盤の逆転劇については「日常(の練習)でからだに染みついたものを最後に出せた」と話し、終始笑顔だった。





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