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帝京大が8連覇に王手! 関西王者下すも指揮官厳しく「少しぬるい気もした」


天理大のNO8佐藤慶と格闘する帝京大のHO堀越康介(撮影:松本かおり)

 全国大学ラグビー選手権大会で8連覇を狙う帝京大が、関西王者の天理大を42−24で下し、9年連続の決勝進出を決めた。

「帝京大のアタックに対してうちのディフェンスが通用するかが鍵だったが、あちらの圧力にやられた。エリアのとり方とか、小さな差が積み重なって引き離された」(天理大・小松節夫監督)

 1月2日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた第53回大会の準決勝第2試合。
 先制したのは赤いジャージーの学生最強軍団、帝京大だった。前半4分、LO飯野晃司がタテを突いて抜け出し、サポートしたCTB金村良祐がゴールに持ち込んだ。
 一方、5年ぶり2回目の決勝進出と打倒・帝京に燃える天理大は16分、PR木津悠輔のパワフルな走りでゴールに迫り、連続攻撃はいったん止められたが、アドバンテージをもらっていてマイボールスクラムで再開となる。19分、ゴール前中央の押し合いで優勢となり、パックの後方にいたフィリモニ・コロイブニラギがサイドアタック、SH藤原恵太がすばやくリサイクルしてFBジョシュア・ケレビにつなぎ、トライが生まれた。

 互いに譲らぬ激しい攻防が続いた。天理大の粘り強い守りに手を焼いていた帝京大だったが、39分にFWが近場を突いてゴールラインに迫り、HO堀越康介がインゴールに突っ込んだ。
 14−5でハーフタイムとなる。

 後半の立ち上がりも良かった帝京大。WTB吉田杏のトライは天理大FBケレビに阻まれたが、46分(後半6分)、CTB矢富洋則が敵陣10メートルラインからFW2人の間を抜けてゴールに持ち込み、大きな追加点を挙げた。
 53分には敵陣深くでのスクラムから攻めてトライラインに迫り、PR渋谷拓希がゴールポストの根もと付近に押さえて加点。勢いづいた帝京大はさらに57分、連続攻撃をSO松田力也がフィニッシュし、35−5とした。

 それでも、関西王者のプライドがある天理大は食らいつき、60分、自陣10メートルラインから突破したFBケレビがそのまま走り切ってトライ。ケレビはさらに63分、敵陣22メートルライン前でボールをもらうとディフェンス裏にショートキックしてバウンドボールを自ら確保し、ゴールに飛び込みスタジアムを沸かせた。35−17。

 しかし帝京大は68分、敵陣深くで相手の落球からたたみかけ、LO金嶺志がスコアラーとなってリードを広げた。

 天理大は75分にスクラムでターンオーバーしてフェイズを重ねSH谷口和洋がトライを奪い、その後も関西王者らしく果敢に、ノーサイドの笛が鳴るまで全力を出し切ったが、帝京大を倒すことはできなかった。

「善戦するのではなく、勝ちにいこうと言って試合に臨みました。一人ひとりのディフェンスが鍵になる。体を張っていこうと」。そう語ったのは天理大主将のPR山口知貴。「ただ、うまく抜かれたりして後手を踏む時間ができてしまった。スクラムは自信を持ってやってきた。終盤にターンオーバーできたり、押し込めて、自信になった。後輩たちには、もっといいチームを作って帝京に勝ってほしい」
 小松監督も前を向く。
「通用する部分もたくさんあった。多くのチームが時間の経過とともに自滅して、差を広げられるが、最後まで戦い続けられた。これまでも日本一にチャレンジしてきたが、選手たちはきょうの戦いを経て、本当の意味で日本一を意識できるようになったはずです」

 一方、8連覇へ王手をかけた帝京大の亀井亮依キャプテンは、「最初からコンタクトエリアで前に出て行こうと言っていた。そこはできたと思うが、少しのスキが相手のチャンスにつながった。自分たちの強みのディフェンスからチャンスをつかもうと思っていた」とゲームを振り返った。
 そして、岩出雅之監督は「我々のいいところも出せたが、天理大学もいいものを出した。ただ(自分たちは)要所でトライをとれた」と語ったが、決勝を見据えて満面の笑みとはならなかった。「もっと厳しいディフェンスができていれば、もう少し楽な展開にできたと思う。ハーフタイムに選手たちの表情を見たら、闘志にあふれているようではなくて微妙なものがあった。チームには波があって、きょうは少しぬるい気もした。次に生かせる反省材料を得た」

 決勝は2季連続で帝京大×東海大。1月9日(月・祝)、秩父宮ラグビー場で14時キックオフ。

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