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慶應、流経ともに譲らず、結末は抽選に。慶大が伝統の右″で準々決勝出場権


慶大×流経大戦。攻守が頻繁に入れかわる激しい攻防だった(撮影:長岡洋幸)

 12月11日、秩父宮ラグビー場での全国大学選手権3回戦、第2試合は終了間際に慶大がラインアウトからトライを挙げ、SO古田京が左中間からのゴールを決めて31−31。トライ数、ゴール数ともに同じとなり、規定により両主将による抽選がおこなわれた。結果は、慶大が準々決勝進出権を手にした。

 前後半ともに先に得点したのは慶大。前半は準備したショートサイドの攻撃から防御背後にパントを上げてトライを奪う。さらにSH中鉢敦がスピードを活かしてトライを追加。12−0と主導権を握ったかに思われた。

 それでもリーグ戦終盤から破壊力が出てきた流経大は広いラインからCTBシオネ・テアウパ、WTBムゼケニエジ・タナカ・ブランドンにボールを供給して大きなゲインを見せる。23分ブランドン、36分にはNO8大西樹がトライを返して12−12としてハーフタイムを迎えた。

 慶大のロッカールームでは屈指のタックラー、FL廣川翔也がチームを鼓舞する。
「序盤は良かったですが、だんだんタックルが高くなり、ファーストタックルを外される。これでは慶應のやろうとしたラグビーができない。明治、早稲田の時のように、だれも声が出なくなっていた。これはよくない流れだと感じていたので」と廣川。これで慶大は後半の立ち上がりにペースを握る。8分、10分と連続トライを挙げて、24−12とリードを広げた。

 リーグ戦最終戦で東海大を破り、自信を深めつつある流経大はひるまなかった。廣瀬直幸主将は「ボールさえキープしていけば必ず得点できる」とチームに伝えた。15分のNO8大西、19分のFL粥塚諒に続き、28分にはWTB當眞皐が中央にトライを挙げて31−24と逆転に成功した。

 終盤も流経大は攻める姿勢を貫いて、大きなゲインをしたが、わずかなミスや反則で戻されて、自陣ゴール前へ。最後は慶大のHO中本慶太郎がトライを挙げてSO古田のゴールで同点に追いついた。

 抽選は最初のじゃんけん、予備抽選ともに慶大の鈴木達哉主将が勝って、封筒は右側をつかんだ。「予備抽選から先に引きたかった。自分の中では、すべて右と決めていました」と振り返った。ちなみに、偶然ではあるが、1985年度大学選手権決勝で明大と同点優勝した時の日本選手権出場権をかけた抽選でも、当時の主将は右、右を引いていたという。

 流経大も負けてはいない。終盤に7点リードをしていたのだから、次に進めないとは考えてもいなかった結末だ。「負けたわけではないので胸を張れとは言いました。同点で終わりたくなかったというのはあります。それでも身体を張った、選手権にふさわしい、激しい試合をしてくれた。感謝しています」と流経大、内山達二監督。

 高校ラグビーでもそうだが、引き分けの試合を振り返ると、その内容は素晴らしいことがほとんどだ。今回も戦い方の違う個性的な両校が、お互いの長所がぶつかった試合で、観客席は堪能した。その結末が抽選なのだけ、後味がよくない。
(取材:福田達)

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第1試合は大東大が福岡工大を95−12と下した。WTBホセア・サウマキは6トライを挙げた
(撮影:長岡洋幸)

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