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大逆転負けも、上昇度示した慶應。スクラムは強い!


ボールキャリアーとして前に出たがキックチャージなど地味な仕事もしっかりするPR細田(撮影:松本かおり)

 11月第1週は伝統の慶明戦。秩父宮には1万2千人近いファンが駆けつけた。下馬評通りにはいかないのが早慶明の戦い。この日は慶應が後半終了間際までリードしながら、後半51分に認定トライを許して、黒星。優勝争いからは脱落した。

 前半は慶應らしい戦いを見せて支配する。タックル、ブレイクダウンで優位に立ち、スクラムでも奮闘した。特にスクラムは夏に組み込んできた成果が帝京戦で出て、この日も真っ向勝負した。PR細田隼都によれば、「帝京戦は自信になりました。今日は塚原(巧巳)さんからターンオーバーできなかったですが、大きい相手に低く対抗して、通用するのは分かりました」と振り返る。

 前半はSO古田京の好リードとFB丹治辰碩の決定力を生かすなど、強みの部分でトライを挙げてペースを握る。さらに、強い時の慶應らしい防御から攻め返す攻撃が見られ、22−0と前半をリードして折り返す。27分にはこぼれ球にLO佐藤大樹が好セービングして、そのボールをつないでFL松村凜太郎がトライしたのは象徴だった。さらに36分にはSO古田が「おそらく初めて」と言う50メートルを超えるドロップゴールを決める。前半終了間際には再びターンオーバーからSO古田がトライを追加して、理想的な展開で前半を終えた。

 慶大が強い時は、FL廣川翔也が終始魅せたような厳しいタックルも象徴だが、スクラムが強力なケースが多い。2年前、大学選手権準決勝進出したチームもそうで、帝京大を何度も押し込むなど日吉の練習で養ってきたことで勝負できた。PR細田は、「1年の時にあのチームのPR青木(周大)さんから教わり、目標にしています。ヘッドコーチからも前3人が引っ張れと言われているので、スクラムをコントロールしていきたい。スクラムでいくんだという雰囲気がチームに流れているので、そこは重要な仕事だと感じています」と話す。

 後半51分、認定トライで手にしたはずの白星が消えた。「今日は結果がすべてです。競っても勝たないと意味がないので、そこはしっかりと反省したい」(PR細田)。
 NO8鈴木達哉主将は「こういう負けから何かを作れるチームなので、次に向かいたい」と話すように、2強と言われた帝京大、明大と好ファイトして敗れたが、つかんだものも大きいはず。

 慶應らしく秋を超えて上昇してきた。タックル、ブレイクダウンで奮闘して、ターンオーバーを何度も見せた。計算できるチームのよりどころになる部分が、やがては自信になるはず。全国を見据えれば、下馬評なんか関係ない。ピッチでの結束力こそ大きな武器になる。
(取材:福田達)

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