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実はホロ苦。日体大に完封勝利で開幕3連勝も慶大、リズムに乗れず。


モールを押し込む慶大。日体大は防御にやや改善が見られるも…。(撮影/多羅正崇)

 10月9日、神奈川・慶大日吉グラウンドで関東大学対抗戦Aの1試合がおこなわれ、慶大が55−0で日体大に勝利し、開幕3連勝を飾った。前週の成大蹊戦からスタメンを6名変更して臨んだ試合で、今季初の完封勝ち。しかし、金沢篤ヘッドコーチ(HC)は、「自分としてはまったく納得のいくものではないです」と厳しかった。
 
 わずか57秒で、ノーホイッスルトライを取った。試合開始直後にトライを奪う展開は、85−7と大勝した成蹊大戦と同じ。しかし、試合前半の慶大は、日体大の好守と自軍のミスにより、トライラインから遠ざかった。
「試合の入りで簡単にトライが取れたことで、選手達も成蹊戦と同じようにいけると思ったのか、球を軽くつなぐようなプレーがあった。リズムに乗れなかった」(慶大・金沢HC)

 日体大にも準備があった。134点を奪われた第2戦の帝京戦(9月25日、帝京G)の結果を受けて、秋廣秀一ヘッドコーチ(以下HC)は、セレクションの基準を「タックルの精度」に絞った。怪我人の影響もあるものの、この日は帝京大戦のスタメンから8名を変更した。選ばれたフィフティーンは、同HCが「終盤まではやれていたんじゃないか」と評価するタックルを見せた。辛抱を続けた結果、前半30分頃には反転攻勢、トライまであと一歩に迫った。

 序盤で浮き足立った慶大だったが、苦しみながらも3トライを挙げ17−0で前半を折り返す。すると後半、機動力溢れる慶大FWが本領を発揮する。後半47分にFL松村凜太郎、52分にPR角田匠輝、59分にはNO8鈴木達哉主将が、それぞれ1対1の勝負に勝ってインゴールを割った。分のあるフィジカル勝負にこだわったことで、流れを引き寄せた格好だった。

 防戦一方となった日体大も、アタックになるとスピード感のある展開力を見せる。スキルフルな1年生SO石田大河は、「自分達の中でアタックは通用しているという自信がある」と胸を張る。しかしチャンスになると、密集でのボールロストやハンドリングエラーが起き、エリア中盤で前後進を繰り返す。秋廣HCも「決定力がまだまだ」とアタックの精度を課題に挙げる。

 FWのフィジカルバトルからリズムを取り戻した慶大は、後半25分、スクラムからのファーストアタックで、CTB木口俊亮が抜け出してトライ。BKでも優位を示して盤石となり、フルタイム直前にも1トライを追加。ファイナルスコアを55−0として、日本ラグビー発祥の記念碑が建つ本拠地で、3勝目をあげた。

 慶大・金沢HCは試合後、無得点に抑えたディフェンスについては一定の評価を与えつつも、表情は硬いまま。
 見据えていたのは、2週間後、大学8連覇を目指すチームとの戦いだった。
「きょうの試合で良かった点は、帝京戦を前に、うまくいかない試合になったということです」
 慶應義塾大学対帝京大学は、10月23日午後2時、秩父宮ラグビー場でキックオフ。兜の緒を締め、王者との一戦に臨む。
(文/多羅正崇)

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