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2度目のラストシーズン。同志社大・森山雄、5年目の決意。

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明治大との定期戦で円陣を組む同志社大の選手たち。凛々しい表情の森山雄(中央)
(撮影:松本かおり)


 2度目のラストシーズンを特別な思いで過ごしている。
 同志社大学のLOとして試合出場を続けている森山雄(もりやま・たける)は大学生活5年目。190p、102sのサイズを活かし、セットプレーの軸となっている。「最後の年」の心境で過ごした昨季だったけれど、関西大学リーグは3位、全国大学選手権ではセカンドステージ敗退と、頂点に立つ夢は叶わなかった。
 悔しさにまみれた2014年度。失意の中で気づいたことが多くあった。それらをチームに伝えることも自分の役目だと思い、5度目の春を過ごした。

 トップチームでは珍しい富山第一高校出身。高校入学時はガリガリの野球少年だった。
「野球部の部員募集のポスターを見ていたら、当時のラグビー部の顧問の先生に声をかけられました。それがラグビーへのきっかけです」
 長身に惚れ込んだ先生は鞄にラグビー用具一式を詰め込んで、「一緒にやろう」と、それを手渡してくれた。2年時、花園へ出場。3年時は県予選決勝で抽選負けだった。「強豪大学でやれるなんて思っていなかったのですが、先生たちにいろいろと動いていただいて」同志社大学への進学が叶った。

 恵まれた体格ゆえ、いつも周囲に大きな期待を受ける。だけど、それに応えられるだけのことをやってこられたか。そう自問したとき、胸を張って「はい」とは言えない。
「大学でも2年生の頃から試合に出させてもらったのですが、やり切れていたかというと、どうだったか。ただ、3年生になって(先発)メンバーから落ちたんです。最後はレギュラーの人が怪我をして出番が回ってきたのですが、試合に出られない期間に自分と向き合えた。その時間が大きかったと思います」
 思い悩む時期を乗り越えてガムシャラにやる気持ちになれた。

“一度目”のラストシーズンだった昨季は、日本一を強く思って挑んだ。早い時期に他より1年長く在学することが決まったが、最後の年のつもりで集中。しかし、いくらそう強く思ったところで、より厳しい日常や、ライバルとの厳しい試合を経てシーズン終盤に臨む関東の壁は厚かった。
「ちょっとしたスキにやられる。こちらはチャンスが少ないのに、それを活かしきれない。関西では通用したことが全国では通用しないことも多く感じました」
 そんな苦い記憶をチームに伝えつつ、支え役も買って出たい。
「今年のキャプテンやリーダーたちも頼りになるやつらなので、僕はあまり試合に出られない人たちや、ミスをして落ち込んでいる者たちに声をかけられるような存在になれれば、と思っているんです」

 同期たちがチームに別れを告げた昨シーズンの納会。その席で後輩たちに頭を下げた。
「4回生には後輩たちから記念品などが贈られるのですが、自分の番になったときに言いました。来年もお願いします、と。同じポジションの中には複雑な思いの人もいるだろうな…と思っていましたが、みんな快く受け入れてくれた。自分のやれることをすべてやり切って、このチームでもう一度日本一を目指したいと思っています」
 あらためて挑める喜びとともに、責任の重さも強く感じる。普通に「頑張る」では足りない。一度は夢破れた者なのだから、誰より必死になって当然だと思っている。
「せっかく5年目をやらせてもらっているのに、ちゃらちゃら(先輩ヅラを)したりして、チームの温度を下げるような存在だけにはなりたくない」
「シーズンの最後に、森山がいてくれてよかった、と言ってもらえたら」と話したのは、決意表明だった。


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