Nations

飛躍のグリロケ2年目。森田洋介、世界でも。

morita

ジュニア・ジャパンの10番を狙う森田洋介
(撮影:松本かおり)

 


 3月8日の夜には、最初の遠征地であるオーストラリアへ向けて旅立つジュニア・ジャパン。30名の遠征メンバーたちは、それぞれ過去に各カテゴリーでの代表経験などを持つ選手が多い。しかし、司令塔としてピッチの真ん中に立つ男たちの中には無印がいる。NECグリーンロケッツでの2年目の飛躍が認められた森田洋介は、過去には、U20日本代表候補(2009年)に入ったことがあるぐらい。今ツアーでは山沢拓也(深谷高校3年)らSO候補と10番を争う。


 同志社中学から同志社高、同志社大とラグビーを続け、端整な顔。柔らかな空気を抱くが、実はタックルに自信を持つ。
 ジャパンの田村優はグリーンロケッツでの同期で、同じくジャパンBKの中枢にいる立川理道(クボタ)とは関西大学リーグで戦ったライバル(立川が1学年下で天理大のSOを務めていた)。また、今回は7人制日本代表に選ばれている橋野皓介(キヤノン)は大学時代の1学年先輩だ。この先、日本代表のBKを背負っていく人材が身近にいる環境に育った。だから、憧れるジャパンまでの距離がなんとなくわかる。
「まだまだ成長しなければいけないし、(争う)みんなのレベルも高い。でも、何もかも自分が負けているわけではないと思います。例えばデイフェンス。少なくとも、ユウ(田村優)には勝っている(笑)」


 体を張れる司令塔は、判断のスピードにも自信を持つ。自ら仕掛けるのか、仲間を活かすのか。いろんな局面でいちばんの決断を下す。NECで2年目に飛躍したのは、「コミュニケーション能力が高まったから」と自己分析。判断力は、周囲との連係が密になるほどに輝きを増した。
「大学時代の最後に手術をして、リハビリに9か月かかりました。だから社会人1年目は、チームのストラクチャーは理解できても体が動かなかった。だから2年目は、頭で理解したことをすぐに声に出せるようにしたんです」
 意志が通じ合うと、ラインに血が通った。レギュラーSOに。
「ユウと、うまくやれたと思います。例えば外国人SOがいても、簡単には割って入ってこられないような感じで互いを引き出せている。アイツはよく引っ張ってくれるし、ジャパンで学んだものを伝えてくれた。それがいま(ジュニア・ジャパンで)いきている気がします」


 PR田中光、LO村田毅、FL細田佳也、SO/CTB田村優ら、1年目からNECを牽引した同期たち。怪我からの復帰に時間がかかり、自分だけ蚊帳の外にいたルーキーイヤーは、正直、心の中は穏やかではなかった。
「NECの新人は4人だけ、と思われているんじゃないか…って考えました(笑)。でも、『怪我でみんなとはスタートラインが違うんだから』、『マイペースで』と自分自身に言い聞かせ続けた」
 そのときため込んだパワーが、2年目の進化を呼んだ。


 アタックラインの深さ。攻撃の方向。ジュニア・ジャパンで取り組んでいることは、グリーンロケッツとはいろんなことが違う。「おぼえることが多くて頭がついていかない」の言葉は本音だろう。しかし、それでも笑顔が出るのは、自分を向上させる心地よい刺激を感じているからだ。
「一度はジャパンになってみたい」
 ともに我孫子で暮らしている同期たちと、この国のラグビーの先頭を歩きたい。

 


RMワールドカップ2019ラグリパcolumn2