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兵庫県フェニックスラグビーフェスティバル 往年の名選手もハッスル

 6月14日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場にて、「第43回兵庫県フェニックスラグビーフェスティバル」が開催された。2019年ラグビーワールドカップの神戸開催が決まったこともあり、神戸市も全面的にバックアップ。この日は、メイングラウンド、サブグラウンド、球技場と施設をフル活用し、女子セブンズ「県立神戸甲北高校×U18兵庫県女子選抜」、男子セブンズ「兵庫県社会人選抜×兵庫県クラブ選抜」など各種試合に、神戸製鋼コベルコスティーラーズによるラグビークリニックなどが行われた。

 メイングラウンドで注目を集めたのは、神戸製鋼とワールドの往年の名選手が出場したOB戦だった。場内解説を元日本代表の大畑大介、大西将太郎のOBコンビが務め、スタミナ不足気味の選手たちに突っ込みを入れながら会場を盛り上げた。試合は15分ハーフで行われ、前半は45歳以上、後半は45歳以下のメンバーを編成しての対戦。観客席をいきなり盛り上げたのは、ワールドOVER45の連続攻撃。「そうとう練習していますねぇ。でも、どこまでもつか」(大畑氏)。WTB東田哲也が現役当時そのままのランで大幅ゲインすれば、神戸製鋼の林敏之、大八木淳史の元日本代表LOコンビも連続して突進しファンを喜ばせる。名プレースキッカーだった細川隆弘が五郎丸ばりのクラウチングポーズで難しいゴールを決めるなど、みどころ満載のプレーが続いた。

 後半はUNDER45がきびきびしたプレーを披露し、8分、神戸製鋼WTB平尾剛がタッチライン際を快走。ディフェンダーの頭越しのキックを自らキャッチするという技ありのトライで24-12と突き放し、ワールドの反撃を振り切って24-17で勝利した。神戸製鋼V7時代に活躍した選手では、林、大八木ほか、HO中山敬一、SH萩本光威、FL広瀬良治、杉本慎治、武藤規夫、冨岡洋、WTB冨岡剛、FB綾城高志らが出場し、スペースに素早くボールを動かす神鋼独特のパスワークを披露。ワールドでは創部メンバーのHO中田章浩、NO8森本努らに、FL金村泰憲、玉木一史、舛尾敬一郎、LO羽根田智也、SO松尾勝博、WTB織田己知範、SH鬼束竜太ら印象深い選手たちが力強くピッチを駆け抜けた。

 メインゲームの東西学生交流戦では、地元の関西学院大学が慶應義塾大学を迎え撃った。関東の春季大会でもまれる慶大がやや優位と見られていたが関西学大が健闘。SH徳田健太、SO山田一平、インサイドCTB清水晶大がテンポよくボールを動かし、何度も防御を破った。前半22分には、ゴール前でのキックパスを左コーナーぎりぎりでジャンプしたFB川上剛右がバレーボールのトスのように内に返してWTB中野涼がトライ。FW陣も無理せずボールをつなぎ、何度もゲインした。しかし、決定力では慶大が上。慶大はスクラムで圧力をかけ、SO矢川智基、CTB青井郁也を中心に防御を崩し、FB金澤徹のスピーディーなライン参加でチャンスを広げた。21-12と9点リードで迎えた後半37分、CTB田畑万併のトライで突き放すと、自陣から反撃を試みる関西学大のミスをついてもう1トライを追加し、33-12で逃げ切った。勝利したものの、何度も防御が破たんするなど課題の多かった慶大に対して、関西学大の野中孝介監督は、「今年はテンポの速いラグビーを目指しているのですが、ようやく自信を持って展開できるようになりました」と手ごたえをつかんだ様子だった。

 この日は、「祝!ラグビーワールドカップ2019 神戸開催決定!」という文字が各所に躍り、東西学生交流戦の前には、日本代表、神戸製鋼で活躍した増保輝則、大畑大介の両氏が、ピッチ上でのトークライブで自身が出場したワールドカップの思い出や神戸開催の意義などについて語るなど、神戸開催をアピールする演出が多かった。両氏は、「4年後、このフェスティバルで活躍した選手たちの中から日本代表入りし、ワールドカップでプレーする選手が現れてほしい」とも話し、神戸で行われる世界一決定戦を楽しみにしていた。
(文:村上晃一)

<主な試合結果>
■兵庫県民体育大会(少年の部)第3シード決定戦
・神戸市立科学技術高校 ○21−17● 尼崎市立尼崎高校(前半14-7)

■兵庫県民体育大会(少年の部)決勝
・関西学院高校 ○10−5● 報徳学園高校(前半7-0)

■東西大学交流戦
・関西学院大学 ●12−33○ 慶應義塾大学(前半12-14)

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関西学院大と慶應義塾大による東西大学交流戦(撮影:新屋敷こずえ)

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女子セブンズ。県立神戸甲北高校×U18兵庫県女子選抜(撮影:新屋敷こずえ)

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男子セブンズ。兵庫県社会人選抜×兵庫県クラブ選抜(撮影:新屋敷こずえ)

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トークライブで盛り上げた増保輝則さん(写真右)と大畑大介さん(撮影:新屋敷こずえ)


【筆者プロフィール】
村上晃一(むらかみ・こういち)  ラグビージャーナリスト。
京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度西日本学生代表として東西対抗に出場。87年 4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーラン スの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、ナンバー(文藝春秋)などにラグビーについて寄稿。J SPORTSのラグビー解説も98年より継続中。99年、03年、07年、11年のワールドカップでは現地よりコメンテーターを務めた。著書に、「ラグ ビー愛好日記トークライブ集」(ベースボール・マガジン社)3巻、「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)などがある。BS朝日「ラグビーウィークリー」にもコ メンテーターとして出演中。

(トップ写真:大八木淳史さんら往年の名選手たちも心地よい汗をかいた/撮影:新屋敷こずえ)
RMワールドカップ2019ラグリパcolumn2