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関西勢、3大会連続で大学選手権4強入り逃す

 第51回全国大学ラグビー選手権は21日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場などでセカンドステージ第2戦8試合が行われ、最終第3戦を待たず、関西大学Aリーグから出場の5校のセカンドステージ敗退が決定した。
 来年1月2日に行われる準決勝に関西勢が進出できなかったのは3大会連続になる。

 関西Aリーグ上位順による試合結果は以下の通り。
●関西学院大 12−60 筑波大 (C組)
●京都産業大 21−52 慶應義塾大 (B組)
●同志社大 17−18 早稲田大 (D組)
●立命館大 18−52 東海大 (D組)
○天理大 64−28 法政大 (A組)

 1勝1敗としたA組の天理大以外は連敗。天理大は勝ち点6としたが、6連覇を狙う帝京大が勝ち点を15に積み上げ、2戦目で唯一の4強進出を決めたため、のぞみは断たれた。

 花園での第1試合は9大会ぶりに4強を目指す同大と関東大学対抗戦A2位の早大が対戦した。同大は初戦の東海大戦を3−40で落としており後がない。
 前半5分に先制される。1年生SO横山陽介のライン裏へのグラバーキックを再確保され、主将のLO大峯功三にインゴールを割られた(ゴール成功)。
 同大は同19分、強さに定評のある右PR才田智を中心に右サイドから早大スクラムを押し込み、こぼれ球を拾ったSH大越元気がトライを決めた(ゴール成功)。
 前半は1PGを加えられ、7−10で終了する。

 後半10分にはWTB松井千士がインゴール右隅に飛び込み、12−10と逆転に成功する(ゴール失敗)。同19分、WTB荻野岳志に2人がかわされ、2トライ目を許す(ゴール失敗)。さらに1PGを追加された。

 12−18の後半38分には得意のラインアウトモールを押し込み、主将のFL田淵慎理がトライを挙げる。しかし、逆転となる右隅の難しい角度のゴールキックをWTB宮島裕之が決められず、ノーサイドとなった。
 日本代表18キャップのFB藤田慶和に対しては近い選手がタックルに入り、走り負けしなかったが、スコアにはつながらなかった。
 同大監督・山神孝志は悔しさを出す。
「勝ちきれなかった。残念」
 田淵は振り返る。
「ブレイクダウンで早大は2人目が速かった。オーバーしてもしつこく足をかいて、プレッシャーをかけてきた」

 宮島の逆転ゴール失敗は責められない。キッカーのSO渡邉夏燦が後半31分に垣内悠輔と入れ替わった。ファースト・ショットの緊張と勝ち負けの重圧をはねのけられる学生はそうはいない。ベンチの判断も間違いではない。ラスト10分でトライを狙うにはパスとキックに秀でた渡邉より、突破力のある垣内の選択になる。
 問題は決定機における反則だ。
 後半22分には敵陣ゴール前でハンド、同27分には敵陣22メートル左中間でオーバー・ザ・トップなど、追い上げの場面でのペナルティが痛かった。
 また12月6日の立命大戦で右ヒジ脱臼した才田が前半で交代したのも響いた。スクラムを起点に早大を圧する計画の変更を強いられた。

 花園での2試合目は関西学大と対抗戦5位の筑波大の戦いになった。関西学大も初戦で明治大に10−21で敗れており、勝利するしかない。
 しかし、試合は筑波大のCTB鈴木啓太、NO8山本浩輝を中心とする個々のスピード、フィジカルに圧倒される結果になる。
 前半3分、FB山下一のタテへのランニングを止められずゴールラインを越えられ初失点(ゴール成功)。そのまま前半6、後半3のトライを失った。
 スタンド観戦していた摂南大コーチの内部昭彦はつぶやく。
「筑波はリアクション・スピードがむちゃくちゃ速い。(ブレイクダウンで)チャンスだ、と思ったらすぐに人数をかける。あんなチーム、関西にはない」
 前半24分、FL水上彰太のチーム2本目のトライは、大外からクロスで入ってきた選手へのディフェンス2枚が飛んでのターンオーバー直後に生まれている。

 監督の野中孝介は試合後の会見で話す。
「ブレイクダウンで人数をかけられ思ったようにボールがでなかった。ディフェンスも前に出て来た。筑波大は素晴らしいチーム。強かったなあ、の印象しかない」
 主将の鈴木将大は関東との差を聞かれ簡潔に答えた。
「ブレイクダウンのところ。関西とはプレッシャーが違った」

 なおA組の帝京大以外の残りの準決勝進出3チームは27日の第3戦の直接対決の結果を受けて決まる。

【B組】流通経済大(14)−慶大(12)
【C組】筑波大(12)−明大(12)
【D組】東海大(14)−早大(13)
※()内は勝ち点。

 勝ち点が同じ場合はセカンドステージ3試合の得失点差の多いチームが上位になる。

(文:鎮 勝也)


【筆者プロフィール】
鎮 勝也(しずめ・かつや) スポーツライター。1966年生まれ。大阪府吹田市出身。6歳から大阪ラグビースクールでラグビーを始める。大阪府立摂津高校、立命館大学を卒業。在阪スポーツ新聞2社で内勤、外勤記者をつとめ、フリーになる。プロ、アマ野球とラグビーを中心に取材。著書に「花園が燃えた日」(論創社)、「伝説の剛速球投手 君は山口高志を見たか」(講談社)がある。

(写真:WTB松井千士のトライで一度は逆転した同志社だったが…/撮影:前島 進)
RMワールドカップ2019ラグリパcolumn2