国内 2019.01.18

サントリー、今季リーグV逸もオール日本人でラストタイトルを。

[ 向 風見也 ]
サントリー、今季リーグV逸もオール日本人でラストタイトルを。
カップ優勝を狙うサントリーサンゴリアスの沢木敬介監督(撮影:向 風見也)
梶村祐介はワールドカップスコッド入りへ向けてもアピールしたい(撮影:向 風見也)

 国内最高峰のラグビートップリーグは、1月19日に各地でカップ・順位決定トーナメント2回戦おこない今季日程を終了する。

 昨季までリーグ2連覇中だったサントリーは、東京・秩父宮ラグビー場でトヨタ自動車との1位・2位決定戦に挑む。

 就任3年目の沢木敬介監督は、若手育成の方針から登録メンバーの23人すべてを日本出身の選手で固める。昨年12月15日には、今年度のリーグ戦のプレーオフトーナメント決勝で神戸製鋼に5-55と大敗(秩父宮)している。新人CTBの梶村祐介は、「ファイナルで2回も負けられない」と意気込む。

 1月16日、東京・サントリー府中グラウンド。試合前最後の本格的な全体練習を実施した。SHの流大主将、FBの松島幸太朗ら、今年9月からのワールドカップ日本大会に向けたトレーニングスコッドが相手役のチームでプレーし、翌日発表の試合出場組が連係を確認する。

 トヨタ自動車が23名中8名を海外出身者とするのに対し、サントリーは13日のトーナメント1回戦(対クボタ/大阪・東大阪市花園ラグビー場/〇39-24)に続きオール国内組の陣容。なかには、長らく控えに甘んじた若手もいる。今季新設したカップ戦の位置づけを踏まえ、沢木監督が背景を説明する。

「チーム、監督によっていろんな考え方があると思いますが、僕はカップ戦を若手の成長を考えた大会と認識している。今季の日程だとノンメンバー(レギュラーではない選手たち)の練習試合は組めず、リーグ戦に出ていなかったメンバーのモチベーションをどこに設定するんだという話になるので。ダイバーシティな世の中で日本人にこだわる、外国人を使わないという考えは全くない。ただ、うちにはいい日本人がいて、彼らを育てなくてはいけない。またチームとして成長するには、全体が成長しないといけないんです」

 ベンチには右PRの畠山健介、SOの小野晃征といった日本代表経験のあるシニアプレーヤーがスタンバイするなか、元日本代表で5年目の先発右PRの垣永真之介がゲーム主将を務める。外国人とマッチアップするLOのスターターはルーキーの加藤広人、3年目の小林航が担い、アウトサイドCTBのスタメンには昨年11月に日本代表デビューの梶村が入る。

 突破力を活かして開幕節からレギュラー入りの梶村は、カップ戦時の休養が義務付けられる第三次ワールドカップトレーニングスコッドには選ばれなかった。代表予備軍のナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)にリストアップされるなか、夢舞台への出場を狙っている。今度のカップ戦では、クラブのプライドを取り戻すと同時に自己アピールもしたいという。

「僕としては試合に出たいと思っていたので、カップ戦に出させてもらえるのはプラスに考えていた。自分の実力はわかっていて、トレーニングスコッドから外れて当然だと思います。NDSという形で名前が入っているので(代表入りの可能性は)ゼロではないですが、まだまだ自分のパフォーマンスを上げていかなくてはいけない。ジェイミー(・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ)たちも、自分の強みはわかってくれていると思う。自分の弱いところ、特にディフェンスの部分では成長したとアピールしたいです」

 全体練習後は、11年目となるWTBの長友泰憲のサポートを受けながらタックルの個人トレーニングに没頭。「泰さんにはお願いしてやってもらっている。ゲームで(成果を)出すことが恩返しになると思います」と感謝も口にしていた。

 着任前9位だったサントリーをV字回復させた沢木監督は、来季以降の指揮については「決めてないっていうか、言えないです」。約束できるのは、今季のラストゲームで自軍の総合力を示すことだ。

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