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すぐそこにジャパン。東京外語大ラグビー部のシアワセ。

左から王駿之、村石美月、山内遼。(撮影/松本かおり)


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3人以外にも見学に来ていた東京外語大ラグビー部の部員たち。
それぞれのポジションを見つめた。(撮影/松本かおり)



 小型機の発着のたびにエンジン音がグラウンドに響く。
 6月9日に大分でおこなわれるイタリアとのテストマッチへ向け、準備を進めている日本代表。チームが練習グラウンドとして使用している朝日サッカー場は、調布飛行場のすぐ近くにある。

 グラウンドの東側にあるのが飛行場なら、西側には学校が見える。東京外国語大学だ。その府中キャンパス内にはグラウンドがあり、そこでは同大学のラグビー部が活動している。
 同部に所属している部員たちは、時間を見つけてはジャパンの練習見学に訪れている。全国地区対抗大学大会への出場を目指している。サクラのジャージーを着ている男たちから学び取ることを、自分たちの成長へ結びつけたい。

 ちょんまげ頭が素敵な山内遼(やまうち・りょう)は、3年生でSO、FBを務めるチームの中心選手だ。都立三鷹高校出身で、トルコ語を専攻している。
 関東1区1部の4位に終わり、全国大会へ進めなかった昨シーズン。山内は、今季こそ目標を達成するためのヒントを得るため、ジャパンのトレーニングを見つめた。
「はやく学校に戻って筋トレしなきゃ。まず、そう思いました」
 選手たちの肉体の分厚さに驚いた。そして、筋肉の鎧を身につけているからこそ、自信を持ってプレーできるのだろうと思った。
「自分たちも、もっとコミュニケーションをとらないといけない。ジャパンの人たちは練習中から凄く声が出ている。具体的に、特定の人に喋りかけているのが印象に残りました」

 同じ3年生の王駿之(おう・としゆき)の目にはWTB山田章仁の姿が焼き付けられた。
「キレキレの動きもそうですが、どんなパスも落とさない。それが印象に残りました」
 実践的練習を見て気づいたこともある。
「僕らもアタック・ディフェンスをやりますが、どうしても、なあなあになる部分がある。でも、きょうの練習を見ているとしっかり体や肩を当てていました。攻守とも出足がはやく、ああしないと練習の成果がでないな、と感じました」
 茗溪学園高校出身のFLは、ドイツ語を専攻している。

 2年生の女子マネージャー、村石美月(むらいし・みづき)さんは、「皆さん体が大きくて、迫力がありました」と話す一方で、スタッフの動きにも目を配っていた。
「ドリンクを出すタイミングや、メディカルの方々の動きを見ていました。皆さん、状況をよく見ているから、起こっていることにすぐ気づくし、行動がはやいですね」
 千葉・長生高校出身。高校時代までは自身がプレーヤー(バレーボール)だったが、大学入学をきっかけにサポートする側へまわった。

 K-POP好きだったこともあり、朝鮮語を専攻している村石さん。昨年、ラグビーマガジンのチームルポで東京外語大が紹介されたとき、そこで紹介されたプロフィールを見た某チームから連絡が入る。トライアウトを受ける韓国人選手の通訳を頼まれた。
「将来も、自分の能力を活かせる仕事に就けたらいいですね」
 トップチームの空気を体感して、スポーツの現場への興味も増した。

 ホームグラウンドから、すぐのところにジャパン。
 朝日サッカー場では2020年まで、男女セブンズ代表も頻繁にキャンプをおこなう。
 この幸運を飛躍に結びつけたい。







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