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あの頃は「プレッシャー」も。19歳で代表入りの筑波大4年・前田土芽のいま


関東大学春季大会、早大戦での前田土芽(撮影:福島宏治)

 筑波大4年の前田土芽副将が、決意を新たにする。

「信頼されるプレーヤーになりたい。『土芽がいるから(大丈夫)』『土芽がいなきゃ(大変だ)』と言われるように。役職にも就いたので、どんどん前に出ていきたいと思います」

 関東大学春季大会では現在、前年度中位陣の集まるグループで3連勝中だ。

 初戦は5月5日、茨城・筑波大グラウンドで迎え、同じ関東大学対抗戦Aに加盟する早大を38−21で撃破。FBの登録ながらCTBのような位置に入った前田副将も、グラウンド上の「外」から「内」へ切れ込む走りを再三、披露し、防御を裂いた。

「去年まではボール(パスの軌道)に押されることで内側に切り返せなくなっていた」として、今季は「(相手に対して)まっすぐ立っているから、内側を抜けるというオプションができる。その部分はひとつの成長かな、と思います」。対抗戦では2季連続8チーム中5位と、さらなるブレイクスルーが待たれるところ。もっとも元主将の村上大記新コーチの指導で、チームも自身も変わりつつあるという。

「3月まではベーシックスキル、ランコースをやってきた。(同じ動作を)しつこく、しつこく。その部分は(実戦で)出たと思います」
 
 長崎・海星高2年時から高校日本代表入り。さらに大学2年だった2016年春には、若手中心の日本代表に呼ばれた。アジアラグビーチャンピオンシップに参戦し、19歳でテストマッチデビュー。思い切りの良さが買われた。

 しかし、好事魔多し。充実のツアーを終えると、代表選手という冠に苦しめられた。周囲から特別視されているのではと過剰に思うあまり、我を見失いかけていたようだ。

 本人は当時の心理状況を「プレッシャー」と分析する。

「しょうもないプレーはできないと思うあまり縮こまりがちで、自分のプレーができない部分がありました」

 そのままチームで出番を失ったり、いざ再起を誓っても怪我で離脱したり。前年まで、悪循環の只中にいた。

 だからこそ、ラストイヤーへの思いは特別なのだという。雪辱を果たしたい。

「日本代表になったにもかかわらず試合に出られなかったり、怪我が重なったりと悔しい思いをしてきた。注目されることがプレッシャーではあったのですけど、今年はこのプレッシャーをも楽しんでやれたらなと思います。どんどん自分のプレーをする。ボールタッチの回数を増やし、ディフェンスでは味方とつながってしつこく守る」

 4年時の公式サイズは身長179センチ、体重86キロ。決して大柄ではないものの、「自分のプレー」に専心すれば小さな隙間も大胆に破る。5月27日の春季大会3戦目(対 法大/東京・法大グラウンド/〇68−15)は欠場も、秋が深まるほどその存在感が求められる。
(文:向 風見也)

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