Nations

敵地スタッド・ド・フランスでも散る。イングランド、大会三連覇ならず。

フランスの勝利に大歓声が響いたスタッド・ド・フランス。(写真/Getty Images)



 3月10日にパリのスタッド・ド・フランスで行われたフランス×イングランド。『クランチ』(Crunch:粉砕)と呼ばれる同カードは、22-16でフランスが勝利を収めた。この結果、2018年のシックスネーションズはアイルランドの優勝と決まった。2位以下は混迷を極めるもつれた展開となっている。

 同日この試合の前に行われた試合では、第3節を終えて唯一の全勝で首位に就くアイルランドが、4トライを挙げてボーナスポイント付きでスコットランドを28-8で破った。
 イングランドはこの日フランスを倒し、最終節でアイルランドを破ったとしても、ボーナスポイントを挙げての勝利でなければアイルランドの優勝が今節で決まってしまう。プレッシャーの中での試合となった。

 先制点はイングランド。フランスのマキシム・マシュノー(SH)が犯したペナルティにより、イングランドのオーウェン・ファレル(CTB)がキッチリとペナルティゴールを決める。その後、両チームのキッカー、マシュノーとファレルが互いにペナルティゴールを決め合い、比較的堅い試合となった前半を9−9の同点で終えた。
 前節のスコットランド戦での敗戦の大きな理由がペナルティだったイングランド。しかし、その敗戦から学び、反則を減らす戦いをフランス戦のテーマのひとつに掲げながらも、思うようには戦えなかった。
 前半のペナルティ数はフランスの5に対して、イングランドは8。イングランドのハーフタイムのロッカールームで、監督が鬼の形相を見せる姿が目に浮かんだ。

 後半のスタッド・ド・フランスは、アレー・レ・ブルース!(allez allez les blues! *意訳:行け、行け、青組!)の応援歌がスタジアムを包んだ。ホームアドバンテージとは、まさにこのことだ。
 後半開始9分、試合が動いた。
 フランスのヒューゴ・ボンヌバル(FB)がゴールラインに飛び込もうとしたところへ、イングランドのアントニー・ワトソン(FB)が危険なタックル。フランスに認定トライが与えられた。ワトソンはイエローカードで10分間のシンビンとなる。フランスに7点が与えられ、16−9となった
 フランスはその後さらにペナルティゴールを決め19−9とすると、イングランドも応戦。ジョニー・メイ(WTB)が、ライン際のエリオット・デイリー(WTB)からの見事なタップパスを受け、トライ。ファレルのゴールも決まり19−16とした。
 しかし、試合が終盤に差し掛かる頃にはフランスがさらにペナルティゴールを決める。スコアは22−16となった。

 1トライ1ゴールで試合が覆る6点差のままロスタイムに入った大詰め。イングランドは、フランスのペナルティから、ラストワンプレーでフランスゴール前ラインアウトを迎えた。最後の力を振り絞り、ゴール前で肉弾戦を挑んだイングランド。しかし、ゴール前密集でのノックオンでゲームオーバーとなった。
 歓喜に揺れるフランスサポーター。イングランドの選手たちは、その前で口惜しさを噛み締める結果となった。

 今節の結果によりここまで優勝を賭けて戦ってきたイングランドにとって、本拠地トゥイッケナムで迎える最終戦は、デッド・ラバー(dead rubber)と言われる、「すでに勝負が決まった後の試合」となってしまった。
 史上初のシックスネーションズ三連覇、グランドスラム(全勝優勝)を目標に今大会に入ったイングランド。グランドスラムの夢はスコットランドに砕かれ、三連覇の夢もフランスでついえた。
 エディー・ジョーンズ監督率いるイングランドは、最終戦でアイルランドを相手にどのような戦いを見せるのだろうか。
 その最終戦は、日本時間3月17日(土)の午後11時45分、キックオフとなる。
(文/竹鼻智)






jsp_kantouniv_leftRMワールドカップ2019ラグリパcolumn2