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日野剛志、サンウルブズ4週間契約終了に待つ好機と祈る無事。


昨季最終節でブルーズ戦勝利に貢献した日野剛志。サンウルブズ8キャップ(Photo: Getty Images)

 ラグビー日本代表候補選手の強化機関、ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)の「2017年度 第7回合宿」が3月5〜8日、開かれた。連日、早朝練習を含めて1日複数回のセッションが組まれた。
 
 例えば3日目にあたる3月7日の午後練習では、戦術を確認する練習の後にサーキットトレーニングがあった。選手が複数のグループに分かれ、スクワット、サイドステップ、ショートダッシュなどのメニューを休みなくおこなう。東京・辰巳の森練習場で、参加選手たちが息を切らす。

 そのひとりである日野剛志は、「2度目のプレシーズンなので、ここで上げていければ」と言った

 「2度目」とは、1月下旬からのサンウルブズのキャンプから数えて、という意味だ。国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦3季目のサンウルブズに、日野は「4週間契約」という形で2月末まで在籍していた。

 サンウルブズもNDSも日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが関与しているとあって、練習メニューの構造などは似ている。7日のサーキットトレーニングを終えると、日野はこう振り返った。

「懐かしいです。思い出しました。あれ、別府でもやりましたから!」

 身長172センチ、体重100キロの28歳。スクラム最前列のHOにあっては決して大柄ではないが、低さ、鋭さ、速さを長所として前年からサンウルブズ入り。日本代表キャップも4、取得してきた。

 今季のサンウルブズでは当初発表のスコッドには名前がなく、「4週間契約」の終了後は国内所属先である静岡のヤマハで社業に専念。しかし、NDS招集で都内に戻る際は、持参したスーツケースにサンウルブズの練習着も詰め込んだ。その旨は、「渡瀬(裕司=CEO)さんにも伝えています」という。

 いつでもサンウルブズのツアーへ合流できるよう、具体的な行動に移したのである。NDSの合宿中、サンウルブズと日本代表のウェアを交互に使用していた。

「僕は、怪我せずにい続けて、いつチャンスが来てもつかめるように準備していく立場だと思います。HOは競争が激しいのは重々、承知している。ただこういうところに呼んでもらえているということは、まだチャンスがあると解釈しています。チャンスはいつ転がっているかわからないので…」

 サンウルブズは現在、南アフリカ遠征に出かけている。5日に出発し、現地時間10日はダーバンでシャークスとの第4節、同17日にはジョハネスバーグでライオンズとの第5節に挑む。

 日野がプレーするHOでは庭井祐輔、坂手淳史が現地へ飛んでいて、堀江翔太と故障中のジャバ・ブレグバゼはNDSで調整中だ。「チャンスはいつ転がっているか…」と話す日野は、再合流の機会を伺いつつ仲間の無事も祈っている。

 思い返すのは、「1度目のプレシーズン」のことだ。

「1か月、しんどいことをしてきた仲間が南アフリカへ行っている。僕もサンウルブズのファミリーなので、本音を言うと、まずは怪我せず頑張ってきて欲しいな、という思いも…。あの苦しいことを共にしていると、僕としては親近感が湧いていて、離れると寂しいところもあります」

 こういう態度の選手を、人はチームマンと呼ぶ。

 NDSはこの先、12〜15日の「2017年度 第8回合宿」(都内)、4月1〜7日の「2018年度 第1回合宿」(沖縄)が予定され、4月10〜28日にはニュージーランド遠征を控えており、当地ではスーパーラグビー加盟クラブの予備軍と計3試合、おこなう。

 サンウルブズも同時期にニュージーランド入りしていて、人的交流が増える可能性もある。「2度のプレシーズン」を乗り越えた日野は、チーム愛を保ちながら浮上のきっかけを探る。
(文:向 風見也)

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