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イングランド、前半に健闘を見せたイタリアを突き放し、46−15の快勝。


力強い走りを見せたイングランドのNO8サム・シモンズ。23歳の新星(Photo: Getty Images)

 優勝候補筆頭のイングランドを相手に、前半を10−17と7点ビハインドで折り返す健闘を見せたイタリアだったが、後半で地力の差を見せつけたイングランドが快勝した。7トライを奪ったイングランドは、ボーナスポイント(4トライ以上したチームに与えられる、勝ち点に更に追加される点)の獲得に加え、開幕節の試合での最大の得失点差を稼ぎ、大会1週目終了時点で単独首位。歴史的偉業とされる大会3連覇に向け、幸先のよいスタートを切った。

 現地時間2月4日、ローマ。開始早々から試合の主導権を握るイングランドは、バックスのサインプレーから2分、10分と、立て続けにWTBアンソニー・ワトソンがトライを奪い、10−0とする。下馬評通りの一方的な展開を予感させるスタートだったが、19分にはイタリアが外へ揺さぶる展開から、一気にイングランド陣へ攻め込む。ゴール前のラックから、SOトンマーゾ・アランの長いループパスをライン際で受けたWTBトンマーゾ・ベンヴェヌティがコーナーにトライ。ゴールキックも決まり10−7とし、スタディオ・オリンピコはホームサポーターの大歓声に包まれる。

 これに対しイングランドは、25分にCTBオーウェン・ファレルがイタリア陣22メートルからディフェンスラインのギャップを見事に切り裂き、17−7と再び突き放しにかかる。しかし、前半終了前にはイタリアがペナルティゴールで3点を返し17−10で試合を折り返し、イタリアの健闘が目立つ前半を終える。

 「確かに、前半はプレッシャーにさらされ、タフな展開だった」。この日、イングランドのインサイドCTBとして大きく試合を動かしたファレルは、試合後のインタビューでイタリアの健闘を称えた。

 後半に入り、イングランドはペナルティゴールと、この日シックスネーションズデビューを果たしたNO8サム・シモンズのトライで27−10と再び突き放しにかかるが、イタリアは57分にWTBマッティア・ベリーニのトライで27−15と食い下がる。大方の予想を裏切り、試合の最終局面に向けて12点差としたイタリアだが、最後の20分で次々と交代のカードを切るイングランド。大会2連覇中のチームの層の厚さと爆発的な攻撃力で、試合を決めにかかる。

 67分にはファレルのラインブレイクから、SOジョージ・フォードが、74分にはシモンズがラックを突き抜ける爆走から、76分には途中出場のWTBジャック・ノーウェルがゴールラインを駆け抜け、終わって見れば7トライを挙げたイングランドが46−15と万全の快勝で試合を終えた。

 試合を終え、イングランドのエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、「今日はポジティブなゲームだった。2トライを挙げたシモンズは今後、NO8としての新たなオプションになる。明日から、早速次戦のウェールズ戦に向けての準備にとりかかります」と、余裕の表情。

 敗軍の将、アイルランド出身のコナー・オシェイ ヘッドコーチは「最後の15分までいい勝負をしていただけに、残念。観客を沸かせる、魅力的なラグビーを見せることができたのは間違いない。試合内容は誇れるものだったが、それだけにこの結果は本当に悔しい」とのコメントを残した。

 確かにこの日のイタリアは、これまでよくあったフォワードの接近戦と力技だけに頼らず、スペースを大きく使ったランニングラグビーを全面に押し出して奮闘した。昨年秋のテストシリーズでは、南アフリカ、アルゼンチンに大敗し、フィジーに辛勝という戦績で、今年のシックスネーションズでも「ウドゥン・スプーン(大会全敗チームに送られる、不名誉な称号)大本命」と揶揄されている。王者イングランド相手に健闘を見せたアズーリは、来週のアイルランド戦でどのようなパフォーマンスを見せることができるだろうか。

 キッチリと初戦をものにしたイングランドだが、気になるのはSHベン・ヤングズの負傷(試合開始10分で、担架で運ばれて退場する重傷を膝に負う)。ジョーンズ ヘッドコーチはこれまで、SHは代表キャンプにも基本的にヤングズとダニー・ケアの2人しか呼ばないほどに徹底してこの2人に信頼を寄せてきた。第三のSHとして誰が招集されるかも含め、来週のパフォーマンスには注目だ。大会3連覇に向けて順調なスタートを切ったイングランドは、来週、ホームのトゥイッケナムにウェールズを迎える。
(文:竹鼻智)

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