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サントリーFL西川征克は、ポーコックに「仕事をさせないのが仕事」。

低く、激しいプレーでチームに貢献する西川征克。(撮影/松本かおり)



 ぶっとい腕の男は厄介だ。勝利を手にするためには、青いジャージーの背番号7を自由にさせてはいけない。
 1月13日に秩父宮ラグビー場でおこなわれる日本選手権決勝(トップリーグ1位決定戦)。連覇を狙うサントリーにとってパナソニックのFLデービッド・ポーコックは、マークする選手たちの中でも、特に要注意の男だ。
 世界トップクラスのボールハンター。その実力は、豪州代表としての実績、スーパーラグビーの舞台で実証済み。そして、トップリーグで痛い目にあった者は多数いる。
 事実、サントリーも今季のリーグ戦で対戦した際、何度もボールを狩られた(10月21日/10-21で敗れる)。

 ポーコックに仕事をさせないのが仕事。
 そんな指令を背負って決勝のピッチに立つのが、サントリーの7番を背負う西川征克だ。一緒にバックローを組むFLツイ ヘンドリック、NO8のショーン・マクマーンは、ともに攻撃型。
「ふたりのタイプを考えれば、僕がそういう役になりますね」
 そう言って笑う。
 パナソニックはターンオーバーからの攻守の切り替えが得意なチームだ。
「1つのミスが失点につながる。丁寧なプレーをしないと。でも激しく。相手にチャレンジさせないことが大事だと思っています」
 ブレイクダウン時にチャレンジしてくる相手にチャンスを与えないよう、ボールキャリアーとなった際は倒された後の動き、2人目となったら寄りのはやさを徹底したい。こちらの球出しを少しでも遅らせようとする相手に、「リーグ戦では負けましたが(その後の)シーズンを通して成長したことを証明したい」と腕をぶす。

 長くサントリーの栄光を支えてきたFL/NO8のジョージ・スミスは、怪我で戦列を離れている。そんな状況も西川の闘志に火をつける。
 ともに過ごしてきた時間の中で、豪州代表キャップ111を持つ世界的バックローから学んだことは多い。
「ジョージにはなれませんが、テクニックであれ、判断であれ、積み重ねてきたことを出し切ってプレーしたい。そうすれば、ジョージにも伝わるものがあると思います」
 関西学院大学から入社して8年目。各局面でその瞬間にどうするのがベストか、常に考えながらプレーできるようになった。それが自身の強みになっている。タックルやボール奪取でチームへの貢献度が高いことが、それを証明する。

 日本選手権準決勝(トップリーグ1位〜4位決定戦)ではヤマハ発動機を49-7と圧倒し、調子を上げているサントリー。チームの状況について、西川は「準備をしっかりできている結果だと思います。全員がサントリーのラグビーをより深く理解している。昨シーズンにプラスして、その場その場で自分たちで判断して動けている」と話す。
 昨季の日本選手権決勝(15-10でパナソニックに勝利)では優勝の瞬間をピッチ上で経験できたが、ラスト4分だけのプレー時間だった。今季はもっともっと長くプレーしたい。
「でも、最初から自分のプレーを全力で出すつもり」
 それをやり切る準備はできている。





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