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トヨタ、7季ぶりの準決勝へ真っ向勝負! ベテラン北川俊澄「やる気満々」


トヨタにとっては7年ぶりの大舞台。ベテランの仕事人FWの存在は大きい(撮影:出村謙知)

 ヴェルブリッツFWの仕事人といえば、この人を置いて他にはいないだろう。

 195cm、113kgという世界規格の大型LOとして、主に深緑、そして今季は赤色メインのジャージーの背中に4あるいは5を貼り付け、15シーズンにわたってトヨタFWの中心で存在感を示し続けてきた。

 今シーズンは若武者FL姫野和樹キャプテンをサポートするクラブキャプテンにも指名され、リーグ戦13節中12試合で先発出場。しかも、チーム最年長の36歳ながら、そのうち半数の試合でフル出場するタフネスぶりも見せて、実に7シーズンぶりとなるチームの4強入りに十分過ぎる貢献を果たした。

「僕が引っ張っていくというよりは姫野をサポートするのが役割。姫野にはグラウンドで力を発揮してもらって、僕はグラウンド外で問題を解決したり」

 新人キャプテンをサポートする最年長クラブキャプテンとしての役割をそう説明する北川俊澄は、1月6日に大阪・ヤンマースタジアムでパナソニックと対戦するトヨタ自動車先発フィフティーンの中で、7年前のプレーオフを知る唯一の選手。
 当然、「惜しいゲームを落としたり、あとちょっとなのになあ」という、浮上しきれなかった6年間を熟知している存在でもある。
「ひとことで言えば、いい試合を求めなくなった。いい試合よりも勝つ試合を求めるようになった」

 主にジョン・カーワンHC時代に数を重ねた43個の日本代表キャップの持ち主であるベテランLOは、そんな言葉でチームの成長に関する実感を語る。

「たとえば、ドコモ戦(12月9日、46−18で勝利)。前半の内容はよくなかったのに、後半、自分たちのペースにもっていって引き離すことができた。NTTコム戦(12月16日、22−15で勝利)も、内容自体は良くないのがわかっている中、あの点差(後半20分まで3−15でリードを許していた)になってもエリアのマネジメントをしっかりして、ターンオーバーからトライが取れたり。最終的に勝てると信じられるようになっている。メンタル部分もそうだし、グラウンドに出ている人間全員が、勝つためにはこういう時にはどうしなきゃいけないかというのがわかっている」

 自力で4強入りを決めたリーグ戦最終節の神戸製鋼戦も、後半逆転を許しながら、試合終了間際の再逆転トライで勝ち切る痺れる試合となったが、自らのシンビンもあってピッチの外から試合終盤でのチームメイトの奮闘を眺めていた北川は普通にチームの勝利を確信していたという。
「ヤバいなと思いつつも、最終的には勝てるんじゃないかと思っていました。チームの文化として、フィニッシュまでもっていけるようになっていることを考えると、最終的には勝てると」

「開幕のヤマハ戦、パナソニック戦、そしてサントリー戦と、リードしてから逆転された。あの3試合からゲームの最後のフィニッシュの仕方をジェイク(ホワイト監督)とかとミーティングしながら学んできた。エリアマネジメントだったり、敗戦から学ぶところがたくさんある。全体の流れとして、この時間帯でこの点差ならこういうオプションなど、15人の考えが同じ方向を向いてきている。それを生かして勝ち切れている部分がたくさんあるし、自信につながっている」

 そんなふうに、ワールドカップ優勝監督でもある名将と共に育んできたヴェルブリッツの「勝つ文化」は、今季唯一の全勝チームであるパナソニックに対しても「1月にあるのは(リーグ戦とは)別のコンペティション」(ホワイト監督)であることを証明する強みとなるのか。
 試合前日、戦いの場である大阪に移動した後も、「変な緊張感もないし、いい意味でリラックスできていて、とてもいい雰囲気。みんな修正できる自信があるからだと思う」と、チーム最年長LOはチームに流れるセルフビリーフ感をそう代弁してくれた。
 パナソニックの前身である三洋電機との対戦だった前回経験したセミファイナル時と比べて、「7年前はケガ人を無理にプレーさせたりしていたのが、今回はケガ人が少なくて、それだけでも全然いい」とも。

 もちろん、北川自身が「今年負けていないし、ほとんどの試合でボーナスポイントも取っている。アタックもディフェンスも安定している」と強さを認めるパナソニックに対して、トヨタはあくまでもチャレンジャー。
「これまでパナソニック相手にできなかったことを反省して、どうやって勝つか準備はできている。強いパナソニックに対しても、僕らは自分たちのできるラグビーをやるしかない。もちろん、勝つ気でいるし、自分たちのプレーの精度がまず重要。チャンスはたくさん転がっていると思う。それを自分たちでどうつかむか」
 7年ぶりとなる大舞台に、あと1か月で37歳となる大ベテランも「楽しみでしかない。やる気満々」と、ワクワク感を隠せず、率直な心境をそう語る。

 ホワイト新監督のもと積み重ねてきた勝ち切るためのラグビー理解度に加えて、ウィンドウマンス開けの終盤戦ではFW陣もオフロードパスを多用するフィジカル勝負だけではない幅広い攻撃オプションを持つチームへと、そのラグビータイルでも成長ぶりを示してもいるトヨタ自動車。
「あの1か月、新しいスキルに挑戦して、それがいいかたちで表れてきている。PR陣もオフロードしたり、それがどんどんかたちになってきた」と、派手なプレーはほぼ皆無と言っていい仕事人LOも、幅広いプレーができるようになったチームの進化をそう証言。
 ただし、その一方で、7年ぶりのビッグゲームをものにするためのポイントはFW戦だと断言する。

「(パナソニックは)FWに外国人を多く入れてきて、FWでプレッシャーをかけてくることはわかっている。負けずにスクラム、ブレイクダウンでどれだけ上回れるか。真っ向勝負」

 前述のNTTコム戦で史上5人目のトップリーグ150キャッパーとなった仕事人にとってもラグビー人生で数回しかないと言っていいビッグマッチは、1試合目ながら14時のキックオフというメインイベント扱いのような設定でおこなわれる。
(文:出村謙知)

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ボールを動かすスタイルでの進化も見せるが、まずはFWでの真っ向勝負を宣言(撮影:出村謙知)


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