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熱かった地方大学勢の全国挑戦権争い 朝日大がサヨナラトライで福岡大を下す


朝日大のシオネ・ヴァイラヌを2人がかりで止める福岡大(撮影:Hiroaki. UENO)

 関東の大学への挑戦権を得たのは朝日大(東海・北陸・中国・四国代表)だった。12月3日に福岡・グローバルアリーナでおこなわれた「第54回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の2回戦、7年ぶりに九州チャンピオンとなった福岡大と対戦し、同点で迎えた82分、PR菅野大輝がハーフウェイから中央を突破してサポートしたLO藤田真弥がゴールに持ち込み、29−22で劇的な逆転勝利となった。

 先に主導権を握ったのは福岡大だった。持ち味とする、ボールを大きく動かすスピーディーなラグビーでリズムに乗り、前半3分にゴール前でチャンスとなると、ラインアウトからモールで押し込み先制した。11分にはディフェンスでプレッシャーをかけてFL盛島泰佳がボールを奪い返し、ゲインしてCTB安藤広晃につなぎ連続トライ。

 0−12とされた朝日大はその直後、背番号19をつけた大黒柱のシオネ・ヴァイラヌを投入する。イングランドの名門・サラセンズにスカウトされて長く海外におり、11月にはトンガ代表としてデビューし2キャップを重ねたヴァイラヌは、日本に戻ってきたばかりで、「それまでにチームでやっていたことをしっかりできるかどうか、まずチャレンジをしたかったんです。シオネを出すことよりも、小薗(恭平)キャプテンを中心にやってきたことを全国大会で出したいという思いが強かった」という吉川充監督だったが、これ以上離されるとゲームが死んでしまうと思い、パワフルなNO8を前半13分に送り込んだ。

 それでも、指揮官いわく「今年のチームは緊張する傾向にある。普段通りのことをできない時間帯がある」という朝日大は、落ち着かず、ラインアウトなどでミスが続き流れを変えられない。
 ようやく得点したのは26分で、ゴール前のスクラムで優勢になると、ボールを持ちだしたNO8ヴァイラヌがインゴールに押さえ、5点を返した。

 サイズで劣る福岡大だが、「運動量で埋めるしかない」というLO竹原慶一郎キャプテンの言葉通り、出足鋭いディフェンスで朝日大を自由にはさせなかった。
 31分にはWTB山下亮太が抜けてゴールに迫り、たたみかけ、CTB井上正規が右へキックパス、2対1の状況を作ってFB溝上雄大がフィニッシュし、福岡大の12点リードで前半は終わった。

 ハーフタイム、追う朝日大は、FWがセットプレーを安定させて相手にプレッシャーをかけることを確認する。
 すると45分(後半5分)、敵陣22メートルライン内のスクラムでアドバンテージをもらうと、8−9からショートサイドを攻めてWTB永野拓也がトライ。52分にはNO8ヴァイラヌのビッグゲインを機に敵陣深くに入り、ゴール前でPKを得、相手が外国出身選手2人に集中したところでボールを動かし、LO藤田真弥がゴールラインを割ってキック成功で17−17、同点となった。

 前半から激しいタックルの連続で体力の消耗があったに違いない福岡大は、57分にイエローカードを提示されて苦しい終盤となったが、OBやチームメイトを含めた多くサポーターの声援を活力にし、数的不利でも劣勢とはならなかった。「みんなの気迫がすごかったです」(福岡大・竹原キャプテン)
 すると、65分、持ち味を発揮してボールを大きく動かし、WTB清藤克剛からオフロードでもらったFB溝上がゲイン、そしてFL久保田博之がトライを決め、福岡大が勝ち越す。

 5点を追う朝日大も粘り、77分に連続攻撃でゴールに迫ると、NO8ヴァイラヌがタックラーをなぎ倒して22−22の同点とした。

 抽選で決着をつけたくない両チームの若きラグビーマンたちは、最後まで果敢に攻め続けた。フルタイムを報せるホーンが鳴ったあとも、めまぐるしいターンオーバーがあった。
 そして82分、ハーフウェイ中央、ボールを手にした朝日大1年生の菅野大輝がタックラーを仰向けにして抜け出し、4年生のLO藤田につないで、逆転劇で熱闘はノーサイドとなった。

 敗れた福岡大学の築城康拓監督は、「ひとつの目標であった九州チャンピオンになれた。しかし上のカテゴリーでは、ひとつのミスが勝敗を左右すると改めて思いました。3年生以下にとっては、この経験は大きな意味を持つと思います」とコメント。竹原キャプテンは、「展開していくラグビーというのを、去年も、今年もずっとやって来て、シーズンに入ってから形になってきたと感じていました。ホントにチームとして成長できた。来年はもっとスキルアップした姿を見られるんじゃないかなと思います」と語り、後輩たちのさらなる成長を信じている。

 勝った朝日大学は3回戦に進み、12月16日に東京・秩父宮ラグビー場で、関東大学リーグ戦1部3位だった流通経済大学に挑む。小薗キャプテンは「流経大さんとやるときには、接点などでもっとプレッシャーがかかると思うので、特に前半の最初の10分間など、今日の反省を活かしたいです」とコメント。チャレンジまでの2週間は、近隣のトップリーグチーム、トヨタ自動車とヤマハ発動機の胸を借り、激しさを疑似体験して本番に臨む予定だ。

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