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「相手がうまかった」。日本代表・姫野、フランス代表との空中戦を語る。

フランス戦でのラインアウト。上で競っているのはヴィンピー・ファンデルヴァルト
(Photo: Getty Images)


 この人も、善戦でよしとはしていない。取材エリアで感想を聞かれると、いつものおおらかな口調で応じた。

「まだまだ勝ち切れる、ということはできていないとは思います」

 11月25日、ナンテールはUアリーナ。姫野和樹はラグビー日本代表のFLとしてフランス代表とのテストマッチにフル出場した。

 4年に1度あるワールドカップで準優勝3回という強豪とのアウェーゲームを23−23と引き分けたが、手放しには喜ばなかった。2年後に開かれるワールドカップ日本大会での出場とプールステージ突破が期待されるなか、こう続ける。

「今日の試合、アタック、ディフェンスともにいい出来だったとは思いますけど、これをもうひと段階上げないと、目標のベスト8到達にはまだまだ」

 身長187センチ、体重108キロの23歳。帝京大では最終学年時に大学選手権8連覇を達成し、今季はトヨタ自動車で新人ながらも主将となった。国内トップリーグの働きを見込まれ、今秋のツアーで代表デビューを果たした。

 この日もタッチライン際から中央付近へ駆け込んで突破を決めるなど、システムに則っているであろう動きから持ち味を示していた。
 
 もっとも当の本人は、「改善すべき点」をいくつか頭に思い浮かべる。そのひとつはラインアウトか。

 タッチライン際における空中戦のラインアウトでは、工夫を意識した。両軍選手の並ぶ列より向こう側へ放る、ロングスローも交えた。

 FW第3列のFLとして先発した姫野だったが、仲間のLOが出血などで退くたびその穴をカバー。後半21分からは正式にLOへ回った。フランス代表は、ラインアウトで中心となるLOに、身長2メートル以上の選手を揃えていた。引き続き無形の力で乗り切りたい日本代表だったが、大きなフランス代表に妙技の面でも上回られたようだ。

 特にビハインドを追っていた終盤、好機のラインアウトを何度か乱した。相手の並びを前に自軍の捕球位置を決めるプロセスについて、姫野はこう振り返った。

「相手がうまかった。駆け引きの部分でも、わざと(日本代表が簡単に補球できそうな)スペースを見せて、僕らがそこで捕る時にそこを埋めて(競り合いに)来たりとか…。もっと相手のことを読んで、イメージして、一番効率のいいところで取れるよう、いい判断ができればと思います」

 終盤になるほど精度の乱れたラインアウトについて、ボール投入役のHO、堀江翔太も「駆け引き」について触れている。今後の進むべき道を添え、こうまとめる。

「特に(敵陣)ゴール前では向こうの駆け引き、ディフェンスが上手でしたね。僕らには高さがない分、もう少し、そういうこと(相手に競られない動作や準備)が必要。たられば(を言うだけ)で終わるんじゃなしに、『もうちょっと引き出しを増やそう』というふうにしていければいいかと思います」

 ラインアウトの指導を担当するジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチも、「LOほどの身長がない選手がLOに入っていたにも関わらず、あそこまで懸命に戦ってくれたのは嬉しく思います」としながら、「(少人数による)ショートラインアウトでよりイノベーションというか、工夫をしないといけない」と反省も口にする。

 過去の所属先ではラインアウトを先導することが少なかった姫野だが、この領域でも「改善したい」と意気込んでいる。
(文:向 風見也)

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ランで攻める姫野和樹(Photo: Getty Images)

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