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フランスと23−23の引き分け。日本代表、壮絶に戦い抜く。


具智元のサポートを得て前へ出るリーチ マイケル(撮影/長尾亜紀)

 日本代表の2017年秋のテストシリーズ最終戦、フランスとのテストマッチがパリ郊外にあるUアリーナ競技場で行われた。
 世界でもまだ珍しい屋内人工芝の競技場は、ダン・カーター(元ニュージーランド代表SO)が在籍するラシン92のホームグラウンドとして今秋、建設が完了。このテストマッチは、ラシンの試合に先駆けて、この競技場での最初のラグビーの試合だった。

 結果は壮絶な接戦の末、23−23のドローだった。
 序盤から強烈なタックルを受けながらもラックを連取した日本は、フランスのゴール前まで迫り、前半5分には相手オフサイドからSO田村優がPGを決め3−0と先制。この日の試合の入り方についてジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「勝ちに行こうとする選手のメンタリティ、試合の立ち上がりは素晴らしい出来だった」と評価した。

 その後もハードな攻防が続いた。両者ともに出足の速いディフェンスと、スピードに乗ったランナーがゲインライン上でカチ上げ合う激しい肉弾戦に。日本は前半を通して高いボール支配率を見せ、フランス陣22メートル内に何度か侵入した。しかし激しいディフェンスに遭い、なかなか決定打が生まれない。一方のフランスは、ターンオーバー後の素早い展開など、アンストラクチャーな状況から一気に攻め込む瞬発力を見せた。

 日本は14分、ハーフウェーライン付近で反則をとられ、SOフランソワ・トゥラン=デュックのPGで3−3と追いつかれた。しかし24分には、中盤でのFB松島幸太朗のラインブレイクからチャンスをつかむ。ラックを連取して敵陣深くに攻め入った後、最後はSH流大のパスアウトを田村がHO堀江翔太へタップパスし、左隅にトライ。田村のゴールは外れたが、8−3と再びリードを奪った。
 しかしこの後、PGで8−6と迫られ、40分には自陣ゴール前のラインアウトからラックを連取され、PRラバ・スリマニにトライを奪われる。ゴールも決まり、8−13と5点リードを許して前半を終えた。

 しかし日本は、後半、素晴らしい立ち上がりを見せた。
 赤白のジャージーは、フランス陣でのラックを連取。42分にCTBティモシー・ラファエレが崩れたディフェンスを切り裂き、左中間インゴールに入った。ゴールも決まり、15−13。逆転に成功した。
 しかし49分には再度リードを許してしまう。日本陣ゴール前のラックから、トゥラン=デュックがスペースの空いた右オープンにキックを上げ、これをダイレクトでキャッチしたWTBガブリエル・ラクロワがトライ。ゴールも決まり、15−20とスコアをひっくり返されたのだ。

 緊迫した接戦は、さらに続いた。その中で、61分にはラクロワがハイパントをキャッチに行った田村に空中でタックルし、イエローカードを受ける。数的有利を活かしたい日本だったが、ラクロワのシンビン中には、フランスとPGを1本ずつ決めるにとどまり、18−23と点差を縮めることができなかった。

 そして、勝負どころは、試合が終盤に差し掛かった73分に訪れた。日本はフランスゴール前のラックからPRヴァル アサエリ愛がインゴールにネジ込み、23−23と同点に持ち込む。しかし、これを決めれば勝ち越しという田村のゴールキックは無情にも左に外れ、同点のまま試合は最終局面を迎えた。
 両軍ともに、必死に戦った終盤。やや無理のある外への展開や、疲れからくるハンドリングエラーも目立った。そして、同点のままノーサイドを迎える。勝てた試合を引き分けで終えた日本サポーターは沈黙。内容、結果ともに不満なフランスサポーターからは大きなブーイングが発せられた。試合は異様な雰囲気の中、幕を閉じた。

 試合後の会見で、ギー・ノヴェス ヘッドコーチは「選手たちは自信を失っている。日本にイニシアチブを取られて、ゲームをコントロールされてしまった。日本が速い展開で来るのは分かっていたが、対応できなかった。サポーターからの不満は仕方がない。このテストシリーズはいい結果ではなかったが、(フランスは、ニュージーランドに2敗、南アフリカにも敗れた後に日本と引き分け)この結果を消化し、次へ進まなければならない」と、敗戦さながらのコメントを口にした。
 主将を務めたHOギレム・ギラドも、「日本の運動量とスピードには手を焼いた。サポーターには、本当に申し訳ない」と、浮かない表情だった。

 日本代表のFLリーチ マイケル主将は、「両チームともに何度もチャンスを逃したが、日本は勝てる試合を逃した。悔しい。ただ、フランスの大型FWのモールを何度も止められ、自信につながったのは間違いない」と、収穫も口にした。ジョセフHCは、「課題として、攻め込まれた時に、慌てて乱れる場面もあった」と話した。
 地元の声援を背にしたフランスを相手に互角の接戦を挑みながらも、最後の最後で勝ちきれなかった桜の戦士たち。引き分けを善戦として喜んでいるわけにはいかない。2019年へ向け、さらなる飛躍が期待される。
(文/竹鼻智)

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激闘終わる。フランス代表はぐったりし、膝をついた(撮影/志賀由佳)

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