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日本語上達、献身的。流経大タナカ・ブランドン・ムゼケニエジの描く未来とは。


流通経済大のタナカ・ブランドン・ムゼケニエジ。写真は10月8日の拓殖大戦(撮影:長尾亜紀)

 ジンバブエ出身のタナカ・ブランドン・ムゼケニエジが、2年目となる流経大ラグビー部でのシーズンを楽しんでいる。

 10月29日、豪雨にさらされた東京・秩父宮ラグビー場で関東大学リーグ戦1部の5戦目に挑んだ。前年度2位からのジャンプアップを期していたが、同3位の大東大に14−19のスコアで今季初黒星を喫す。スクラムで優位に立たれ、前半の14−0というリードを活かしきれなかった。

 もっとも3度目の先発機会だったムゼケニエジは、アウトサイドCTBに入り八面六臂の活躍。いくつかの名場面を作り、それを振り返る際は「チームをヘルプしたかった」という類の単語にまとめた。

 ちなみに入学時と比べ、日本語は上達。NO8を務める大西樹主将らの名前を挙げ、陽気に話していた。

「いつも大西さんも『ONE TEAM』と言っている。チームが一番、大事。ヘルプするだけ」

 ルーキーイヤーの昨季はWTB、FBなどでも可能性を広げたが、いまはアウトサイドCTBとして持ち味の俊敏性と運動量を発揮。この日もぬかるむグラウンドで自陣深い位置からカウンターアタックを繰り出し、守っても相手ランナーのコースを塞いだ。

 特に光ったのは後半10分頃のワンプレー。自陣ゴール前右まで攻められるも、ムゼケニエジが大きく駆け戻って相手ランナーをタックル。すぐに起き上がって攻防線の後ろへ回り、球に手をかけた。ジャッカルというボールを奪うプレーで、ターンオーバーを決めたのだ。

「ジャッカルは大西さん、粥塚(諒、FL)に教わっている。いつも、FLと同じ練習をしている」

 攻防線上での激しいプレーは、当日の笛次第で白にも黒にもなりうる。その傾向を踏まえ、試合中のムゼケニエジは、よく担当レフリーに意見を伺うのだという。

「ブレイクダウンがどう映るか、いつコンテストしていいか、いつもレフリーに聞く。レフリーはいつも違うけど、重要。イメージを聞いて、レフリーも自分もハッピーに…」

 チーム指定のブラックスーツをまとったムゼケニエジは、取材記者が広げたビニール傘の下で「ヤバイ? ちょっとやりすぎ?」と笑顔を浮かべる。甘い香水の匂いを振りまいていて、この後は渋谷へ立ち寄るのだと言った。普段は茨城県龍ケ崎市で競技生活を送るとあって、東京に出られる機会は貴重だ。

 身長184センチ、体重100キロの20歳。母国ではサッカーをしていたが、移住先のニュージーランドで楕円球にのめり込んだ。ニュージーランドのヘレタウンガ高を経て、「さまざまな国のコーチングを受けたい」からと昨春、来日した。当時の4年生でいまは日野自動車でプレーするSOの東郷太朗丸にも、その「ハードワーカー」ぶりを評価される。

 大学卒業後もこの国に住みたいようで、「いまのフォーカスは、トップリーグ(国内最高峰リーグ)でのプレー」と笑う。

「でも、まだオファーはない。もっともっと頑張ります。サンウルブズ(スーパーラグビーに参戦する日本チーム)でもやりたい」

 奔放の香りもなくはない「チームマン」は、どこまで伸びるだろうか。11月18日には、東京・江戸川陸上競技場で昨季4位の中大とぶつかる。
(文:向 風見也)

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