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ひたむきに。宗像サニックス・新井信善の大きな背中。


チャレンジし続けるブルース。中央が新井信善キャプテン(撮影:大泉謙也)

 気取らない。飾らない。
 今季の宗像サニックスブルースでキャプテンを務めるNO8/FL新井信善は、頼れる無骨なラガーマンだ。
「副キャプテンはありましたが、キャプテンは人生で初めてです。僕は口がへたくそなので、プレーで見せるしかないので……。背中を見せるという感じで、日々の練習をやっています」
 柏原(大阪)から関東学院大を経て、宗像サニックスへ。チーム5年目で人生初のスキッパー役を経験中だ。

 “背中を見せる”姿勢は試合でも変わらない。
 10月7日のトップリーグ第7節。宗像サニックスは東京・秩父宮ラグビー場へ乗り込み、開幕6連勝中の王者サントリーサンゴリアスと対戦。
 この日、NO8新井は突進しては下がり、突進しては下がり―― 0−45で完封負けを喫した80分間、王者のディフェンスラインへ愚直にくさびを打ち続けた。
「自分のプレーはそういうところで一歩でも前に出ることです。ラインブレイクしてひとりで走り切れるカーン(・ヘスケス/宗像サニックス)ではないので――。人数を集めて外に散らす、というところが、自分のストロングポイントだと思っています」
 身長179センチ、体重112キロの体格はバックローとして大柄ではないが、最前線で身体を張り続ける背中は大きく、頼もしい。

 この日はキース・アレン レフリー(スコットランド協会)の笛に両チームが戸惑っていた。
 宗像サニックスは0−0で迎えた前半20分、22分にシンビンで2人を失い、13人となった時間帯に2トライを奪われた。
 攻防の均衡が一気に崩れてしまい、キャプテンとしては内に秘める言葉もあったはず。
 しかし記者会見の席上で、NO8新井キャプテンの言葉は極めて簡潔だった。
「トップリーグ王者にチャレンジできました。持っているものをすべて出して負けてしまったので、悔いはないです」

 今春は日本代表の育成キャンプ「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」にも参加。プレイヤーとして飛躍の兆しも見えてきた。
 しかし所属する宗像サニックスはここまで1勝6敗と苦戦中。
 今度はチームとしても浮上のきっかけをつかみたい。
「次もひたむきにやって、チームを引っ張っていきたいと思います」
 宗像サニックスの次戦は10月15日、コカ・コーラウエスト広島スタジアムでおこなわれるキヤノンイーグルス戦。
 キャプテンの背中を追いかけながら、福岡の個性派軍団は2勝目を目指す。
(文:多羅正崇)

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