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開幕から古巣に大勝。日野自動車の染山茂範、「上でやりたい」の決意貫く。


今季から日野自動車に加入した染山茂範(撮影:長岡洋幸)

 移籍後初の公式戦の相手が、移籍元だった。

 9月9日、広島・コカ・コーラウエストグラウンド。今年度から創設されたトップチャレンジリーグの開幕節である。日野自動車に加入1年目の染山茂範は、昨季まで在籍の中国電力とのゲームにSOとして先発。試合前から特別な感情を抱いていたという。

「楽しみ、不安、緊張…。いままでに経験したことのない気持ちだった。戦いにくかったです」
 
 前年度まで挑んでいたトップイーストでの成績を7、4、4、2位と引き上げてきた日野自動車は、前年度までトップキュウシュウにいた中国電力を52−17で下す。

 大勝にもプレー選択の精度で不満足の日野自動車にあって、染山も「思ったようなアタックはできなかった」。持ち前のスペースへのキックやインサイドCTBのブレット・ガレスピとの連携こそ冴えたが、自らに高いハードルを課さんとしていた。

「相手がディフェンスでプレッシャーをかけてくるのはわかっていたので、そこをどうかわしていくかを考えました。ただ、そのプレッシャーがきつくて…」

 例えば、自身の周囲に立たせた突進役にパスをしても、鋭い出足の相手防御の餌食になってしまった。後半からはSHの古川浩太郎の周りのランナーがボールをもらうよう攻めの方針を変えたが、「試合中に(プレー選択の基準などを)修正できるように」と反省するのだ。

「前半は僕経由。後半からはSH経由に切り替えました。ただ、それでもプレッシャーは感じていました。この先、こういうチーム(との対戦)は増えていくと思うんです。だから、試合中に修正できないといけない」

 佐賀工高時代に高校日本代表入りを果たした染山は、明大卒業後に進んだ中国電力で4季、プレー。社会人生活のさなかに主将を経験するなど充実感も得る一方で、「上を目指すチームで戦いたい」という渇望も覚えた。折しも、日野自動車は将来的な規模拡大を目指し各所から選手や指導者を招へい。その延長線上で、26歳の染山も移籍を決断した。

「最後は、中国電力が快く送り出してくれました。それで、いまもラグビーができています」

 新天地でも以前と同様、一般社員としての業務後にグラウンドへ出向く。以前までと違うのは、周りに日本最高峰のトップリーグを経験したプロ選手がいることだ。昨季から加わった前サントリーの佐々木隆道、新加入で前NECの村田毅らが、全体に刺激を与える。染山は続ける。

「トップリーグを経験している選手がたくさん来られていますが、意識の高い方々ばかり。それに社員選手が引っ張られ、切磋琢磨してやれています。プロの方はラグビーだけに専念しているとあって、練習に向けた準備、プレーについての発言にすごさがあるというか…」
 
 新加入のSOには他に、ヘイデン・クリップスがいる。前年度まで東京ガスに在籍のニュージーランド人で、今季は日本のサンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーでもプレーしている。

 激しい競争の只中にいる染山だが、古巣との対戦を受け決意を固めた。

「ずっと先発で出ることを意識します。努力し続けなければ出られないと思っているのですが、ここへ来たからには覚悟を決めてやりたいです。中国電力の人にも、僕が出ることで『頑張っているんだな』と思ってもらえる」
 
 16日には、東京・秩父宮ラグビー場で中部電力との第2節に挑む。最後まで背番号10を守り、新天地でトップリーグ昇格を味わいたい。
(文:向 風見也)

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