女子

混乱。落胆。そしてタックル。サクラフィフティーン、長田いろはの決意。

フランス戦での長田いろは(立正大1年)。167センチ、64キロ。(撮影/出村謙知)


 エッ。そう思ったときには遅かった。
 うまくキャッチできず、こぼれたボールをフランスFLロマネ・メナジェールが拾う。背番号7はいっきにインゴールまで走り切った。
 たった12秒で先制点を許してしまった。

 8月9日に開幕した女子ワールドカップ。女子日本代表(以下、サクラフィフティーン)は、初戦のフランス代表戦に14-72と大敗した。カロリーヌ・ドルアンが蹴ったキックオフボールを取り損ねたCTB長田いろはが振り返る。
「予想していなかったので、エッと。慌ててしまいました。何が何だかわからないうちにトライされていました」
 もともと明るい性格。気持ちの切り替えも得意。
「でも、あれは引きずっちゃいました」
 先制パンチを見舞いたかったチームにとっても、本人にとってもショックは大きかった。

 それでも18歳の背番号13は、必死で戦い続けた。自身のトイメンだったCTBカロリーヌ・ラダニューはスピードがあり、何度か抜かれた。しかし、明るさと同じぐらい武器としている負けん気の強さで食らいつく。前半20分過ぎから対応できはじめた。
「一本(しっかりと)タックルに入れてから、フェーズディフェンスでついていけるようになった」
 落ち着いてきた。
 周囲ともコミュニケーションをとった。本来の自分たちを取り戻した。
「最初、相手が個々の間隔を広くとってアタックラインを作っていたんで、それに合わせていたんです。それを自分たちはもう少し狭くして、インサイドから外に押し出すようにしたらうまくいった」
 前半20分過ぎからハーフタイムまでは、特に手応えを感じた時間だ。誰もが戦等意欲を失っていなかった。

 それでも前半7-29だったスコアは、最終的にさらに大きく開いた。
 フランス代表はパワーもスピードも想像以上だった。サクラフィフティーンには時間の経過とともに怪我人が出て、レッドカードも。
 そんな中で背番号13は最後までピッチに立ち、世界トップレベルを体感し続けた。

 試合翌日のオフを経て練習を再開した8月11日、「もう切り替えました」と長田の表情は明るかった。
 弟がラグビーをしていたこともあり、中学1年時に福岡レディースで楕円球を追い始めた。門司学園高校では男子と一緒に練習。セブンズ代表にも選ばれ、世界の舞台も経験している。
「(フランス戦を終えて)スピード自体はセブンズとあまり変わらないけど、ステップとかでなく、まっすぐ切り裂くように走ってくる。タテへの強さがこれまで経験してきたものとは違いました」
 自分より大きい。そして強い。そんな相手ばかりだとあらためて感じたから、やることも決まった。
 たった中3日でも成長できることを見せてやる。
「ボールを持ったら、低くなって突破します」
 アイルランド戦(8月13日)、約束できることは?
「タックル」
 笑顔でさらりと。でも、決意は固い。




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