海外

人は結果しか見ない? サンウルブズの「7−47」の背景とは。


チーターズ戦でプレーするサンウルブズの田村優(撮影:松本かおり)

<スーパーラグビー2017 第14節>
サンウルブズ 7−47 チーターズ
(5月27日/東京・秩父宮ラグビー場)


 敵地での第3節で31−38と応戦したチーターズに、サンウルブズが40点差で負けた。

 長期遠征先のニュージーランドから来日した相手は、この日も蒸し暑い芝で序盤からへばっていた。

 それでもエアポケットに陥り失点したのは、サンウルブズだった。

 まず序盤戦。SOの田村優らのキックで相手の背走を誘うも、弾道を追うチェイスラインの穴を向こうの韋駄天に破られた。喫したのは14失点も、防戦一方となった。

 蹴る側の田村が「もっといい状況で蹴れたら」と声を絞るかたわら、追う側のWTBの中鶴隆彰は反省する。

「全部が全部、いいキックになるわけではない。チェイスの精度をもっと上げていかないといけない」

 苦しい局面を好タックルでしのいだPRの稲垣啓太は、7−19とされた後半15分に交代。「疲労もしていたので…」。攻めた先での落球の背景も交え、かく語るのだった。

「前半からあまりにディフェンスの時間が長くて、チャンスが来た時にはすでにきつい状態で…」

 代わって入った左PRの山本幸輝は、走者を押し戻すタックルを数秒で2度繰り返す。

 しかし後半35分、敵陣22メートル線付近左の敵軍ラインアウトの直後。仕留めたはずの走者に球をつながれ、失点を招いた。

 残り15分で4トライを許したチームの1人として、ただ反省する。

「僕が止めきれなかった…。全体的な平均点を上げていかないとこのリーグでは勝っていけない。1つもミスをしないくらい成長したいです」

 司令塔の田村は、「皆、悪いパフォーマンスをしているわけではない」とも言い切る。

 確かに後半8分頃、ハーフ線付近で、FLの松橋周平のタックルとLOのサム・ワイクスのボールへの絡みで相手の反則を誘う。松橋は続く13分にも敵陣中盤右で接点に身体を差し込み、攻守逆転を決める。

 南アフリカ勢の正面衝突へ、身長180センチと小柄な核弾頭は「人によるかもしれませんが、僕にはやりやすい」と胸を張っていた。

 攻防の起点となるスクラムでも、選手交代による噛み合わせ不良がない場面では充実。前半26分頃には敵陣深い位置で相手側の1本を耐え、最終的には向こうの塊を崩す。結局は別の場所での反則を取られたが、最前列の稲垣は「相手の強いポジションを崩せたら、後ろが押してくれる」と手応えをつかんだ。

 敵の得意なラインアウトからのモールへも、空中と着地点での圧力で応戦。長谷川慎コーチは「まだ(よく)できる」とするが、被害を最小限に止めたのは確かだ。

 とはいえ多くの日本国民にとって、そのよさを知る術は少ない。

 瞬殺の積み重ねでの大量失点は、収穫を語る声より厳しい論評を助長。報道量自体も限られる。結果は残酷。だからこそSHの田中史朗は、「小さいことを意識」と勝利を呼ぶ連携や基本動作にこだわっていたのだ。

 怪我人や調整組などを除いてメンバーを組んだこの日、切り札格のCTBウィリアム・トゥポウが出場したのは、19点差をつけられた後半28分のことだった。
(文:向 風見也)

sssdsワールドカップ2019wwラグリパcolumn2

hhhhRM【クイズでスポーツがうまくなる】dd