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ホームでため息。サンウルブズ、チーターズに自由奪われ大敗。


接点で押され、オフロードパスをつながれたサンウルブズ。(撮影/塩隆)

 幕切れはお祭り騒ぎだった。
 右タッチライン際から蹴ったLOフランソワ・エイスのコンバージョンが決まると、仲間たちがキッカーに飛びついて祝福した。この日背番号19を背にピッチに立った男は、7月からフランスへ向かうため(グルノーブル入り)、チーターズでは最後の試合だった。
 サンウルブズは試合のフィナーレに、そんなセレモニーを実施させぬような試合に持ち込めなかった。秩父宮ラグビー場に駆けつけたファンに何度もため息をつかせた。

 キックオフが近づくにつれて蒸し暑くなった。相手は9連敗中。キャプテンのCTBフランソワ・フェンターは怪我で欠場していた。サンウルブズが勝利を得る条件は揃っていたように思えたが、完敗だった。
 5月27日、スーパーラグビーの第14節。サンウルブズ×チーターズは7-47と大きな差がついた。ホームチームは1トライしか奪えず、7トライを許した。これで今季1勝11敗だ。

 前半を0-14で終えた狼たちは、ほとんど敵陣に入れず、たまに攻め込んでもミスで好機をつかむ前に攻め返された。唯一ゴールに迫ったのは29分過ぎ、右サイドのラインアウトから攻めたときだけだったか。
 フェーズアタックの途中でCTB立川理道がパスダミーで防御の裏へ。その後左へボールを動かし、SO田村優が右コーナーへキックを転がした。WTB中鶴隆彰がチェイスし、インゴールで押さえるかと思われたがドロップアウトに…。トライラインに迫ったのはそのときだけだ。
 チーターズのHOトルステン・ファンヤースフェルト主将は、「うまく追い詰めることができた。キックの選択肢しか与えなかった」と圧力をかけ続けたチームを評価した。

 チーターズは攻めても、前日の「ダイレクトなプレーをしたい」(ファンヤースフェルト主将)という言葉通り、結束固く前に出た。
 先制トライは前半15分過ぎ。左ラインアウトから攻めてFWがトライラインに迫った。オフロードパスとピック&ゴーで前進し、最後はラックサイドを前に出たFLウザイア・カシームがインゴールに入る。そして前半終了間際にもラインアウトから攻めてFWで前進。最後は右に大きくボールを動かし、NO8ニール・ヨダーンが右スミに飛び込んだ。

 0-14とされて後半に入ったサンウルブズだったが、勝機は残っていた。FLマルジーン・イラウアは前半終盤に感じた。
「チーターズの選手たちの8人ぐらいが膝に手をついていてキツそうだった」
 しかし、そんな相手に勢いを与えたのが後半開始直後のプレーだ。サンウルブズが蹴り込んだキックオフのボールを取って攻めたチーターズに対し、サンウルブズの組織防御は崩れた。SOダニエル・マレーにインゴールに飛び込まれ、スコアは0-19となった。

 その6分後にはスクラムからアタックを重ねた後、LOサム・ワイクスが小刻みなステップで防御の隙を突いて走り、トライを返したが、攻め手の少ないホームチームには好機を作り出せぬ時間が続いた。
 CTB立川主将が振り返る。
「スコアできるところでできず、アタックの時間が少なかった。1対1で止めきれず、オフロードもつながれた。(暑い中で)疲れたのはお互い様。相手も目に見えて足が止まっていったが、そのチャンスを活かせなかった」
 自分たちのスタイルに採り入れてきたキックも効果的に使えず、「苦しい中で蹴っているのもあった。勢いのある中でのキックをもっと増やさないといけない」と唇を噛んだ。

 悔しいのは、走り勝ちたい残り後半20分を過ぎてから4トライを重ねられたことだ。相手をフィットネスで上回れず、自分たちは集中力を失った。サンウルブズは自分たちのFWをできるだけ疲れさせぬよう球を動かす幅をある程度決め、キックを効果的に使うなど効率よく戦うスタイルを構築している途中だが、それでは日本のチームらしい勝利を手に入れるのは難しいのか。
 イラウアは、「やろうとしていることができれば素晴らしいプラン」と前置きして言った。
「ただ、それがまだうまく遂行できていない」

 チームはジャパンのテストマッチ期間を経て、7月からふたたびスーパーラグビーの舞台に挑む。残り3試合。完成形はいつになったら見られるのか。
 連繋する日本代表が、ルーマニア、アイルランド相手にスーパーラグビーでの成果を示してくれてもいい。サンウルブズの今季最終戦、7月15日にホームでおこなわれるブルーズ戦には間に合わせてくれ。

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