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哀しみを胸に「今ではチームが家族」。サンウルブズのブリッツは今日も激しく


ジャガーズ戦でもハードにプレーしたサンウルブズのヴィリー・ブリッツ(Photo: Getty Images)

 4月8日、日本のサンウルブズがホームの東京・秩父宮ラグビー場でブルズと激突。国際リーグのスーパーラグビーで今季初勝利を挙げた。仲間たちが歓喜に沸くなか、中核たるヴィリー・ステファノス・ブリッツは、母国の南アフリカへ帰っていた。

 ミドルネーム以外はすべて同じ名前の父、ヴィリー・ヤフォーバス・ブリッツさんの葬儀のためだった。

 父がアマチュアとしてプレーしていたラグビーを5歳で始め、ディアマントヘルド高校、フリーステート大学を経てスーパーラグビーのライオンズ、チーターズなどでチャンスを得てきた。その間、父は「ベストサポーター」だったという。

 かねて病気を患っていた父に関する報せは、試合より約2週間前の3月28日に聞いていた。ホームの戦も大事だったが、「仕事よりも、家族の方が大事になる時もある」。機上の人となった。

「厳しい時間でした。細かいことですが、父とは試合後に電話をして、感想を言ってもらったりしていました…。それがないということは、タフです」

 合流したのは、その後に始まった長期遠征中の16日。哀しみを胸に秘め、戦いの舞台に立っている。

 4月初旬から約4週間かけてニュージーランド、アルゼンチンを回ったツアーでは、4戦中3試合に出場。大外のスペースを駆け上がるランで得点を演出したり、相手ボールの肉弾戦で身体をねじ込んだり。身長193センチ、体重108キロの身体を張り続けた。
 
「チームがサポートしてくれた。今ではチームが家族のようなものです。パフォーマンスのフィードバックをくれたり、その場にただいてくれている。それが大きいのです」

 5月14日まであった約1週間の休止期間は、千葉県内の滞在先で英気を養った。そして20日、シンガポール・ナショナルスタジアム。シャークスとの第13節に、NO8として先発する。

「エキサイティングなラグビーができている。ツアーで得たものに関しては、ポジティブに捉えています。それぞれの仕事、ゲームプランに特化してやり続けた結果です。我々は本当によいコーチングスタッフに恵まれています。選手はフィールドでやり切るのみ、という状態になれています」

 チームはあの日以来、勝ちから遠ざかっている。今度はブリッツが、当事者として白星をつかみたい。

「80分間、いいプレー、正しい状況判断、すべき役割の遂行をし続けなければいけない。それが我々の得た学びだと思います。フィットネスはある。ただ、後半になるにつれて意識のスイッチが切れてしまうところはあったかもしれません。シャークス戦に向けては、(ジャガーズ戦で失点した)前後半のラスト10分に特化して準備しているつもりです。フィールドで勝つために、すべてを出し尽くす」

 グラウンドの外の環境が大きく変わったなか、グラウンドのなかでは変わらぬ激しさを約束する。

(文:向 風見也)

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