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東海大は逆転白星にも「地に足がついていない」。明大はスクラムに手ごたえ。


春季大会の東海大×明治大。ボールを持つのは東海大のWTB平尾充識(撮影:谷本結利)

 昨季の大学選手権を準優勝で終えた東海大は5月14日、静岡・県営草薙球技場で関東大学春季大会Aグループの明大戦を38−35と逆転で制した。

 もっとも、白星を収めた木村季由監督は「内容は…。最初から『緊張などをどれだけ早く乗り越えられるかだ』と話しましたが、地に足のついていないプレーが続いて…」。28日に山梨・中銀スタジアムで大学選手権8連覇中の帝京大とぶつかるに際し、「コミュニケーションのレベル、チームとしてのエナジーは明大さんの方にあった。まだ淡々と試合をしているところがある。日常でメンタリティーを積み重ねていかなかったら、優位に運ぶことはできない。また練習のしがいがある」と気を引き締めた。

 序盤から持ち味を発揮したのは、明大の方だった。

 キックオフ早々のセンタースクラムを押し込み、相手の反則を獲得する。その後の攻めは不発に終わるも、8分には自陣22メートル線付近右のスクラムからスコアを生んだ。

 ここではまず、左中間でボールをもらったFBの山ア洋之が防御網と入れ違うように突破。その左端にサポートについたのはWTBの山村知也で、パスをもらうや大外へ走路を定める。「あとはスピードで振り切って、トライを狙うだけ」。約60メートルを駆け抜け、先制した(ゴール成功で0−7)。

 同点で迎えた16分には、敵陣中盤左のスクラムからのアタックで1つひとつの接点を制圧。試合中にFBからCTBへ移った高橋汰地のトライなどで加点した(7−14)。落球やダイレクトタッチなどがかさんだ東海大に対し、明大は続く25分にもCTBの鶴田馨のトライなどで加点する。スコアの差は7−21と広がった。

 ハーフタイムが近付くと、東海大が自軍ボールを確保する。

 31分、カウンターアタックからフェーズを重ね、最後は相手BKとのミスマッチを突いたLOのテトゥヒ・ロバーツがトライラインを破る(ゴール成功で14−21)。続く37分には、敵陣ゴール前左のラインアウトからボールを回す。CTBの池田悠希の再三のチャンスメイクから、WTBの福田一輝がトライを決めた(19−21)。
 
 明大は後半もスクラムの優位性を保ち、一時19−35とリードを広げる。しかし、時間が経つと東海大がまたもペースを握る。再三のモール形成から明大のペナルティを誘っては、15分にその塊を押し込んでPRの中野幹が差を詰める(ゴール成功で26−35)。

 23分には、敵陣中盤左で自軍スクラムを押されながらもボールキープ。守備の切れ目をFBの青木優がえぐるなどし、33−35とさらに追い上げた。

 逆転したのは42分だ。明大の再三の反則から、東海大が敵陣ゴール前右でラインアウトを獲得する。縦長のモールで活かし、じりじりとトライラインを目指す。最後は右端で待ち構えたWTBのモリキ・リードがとどめを刺し、ノーサイドの笛を聞いた。

 明大で就任5年目の丹羽政彦監督は「うちも(苦しんだ)モールディフェンス、近いところ(接点周辺)のディフェンスは(時間をかけて)やっていない。それ以外のところでは、やれた。むしろスクラムでは、初期段階でここまで戦えた」。敗れはしたものの、肉弾戦やスクラムに確かな手ごたえをつかんだという。終盤の失点については「こちらのちょっとしたこと(ミス)からスコアしているところは、そつがない」と、ただただ相手を称えていた。

 明大は、春季大会はここまで1勝1敗。28日の慶大との招待試合(千葉・中台運動公園陸上競技場)を挟み、6月4日に札幌・月寒ラグビー場で帝京大とぶつかる。

 2連勝にも不満足な東海大の木村監督は「いろいろなものが混在したゲーム。やればできるという手ごたえもあったけど、悪い部分も出た。明大のフォーカスしたところで後手に回った」とも述懐。ラインアウトの軸になったロバーツも「試合の入りで(勢いに)乗られた。こちらのミスをした後の戻りが遅くて…」と苦笑していた。

 東海大は故障や病気療養、日本代表の遠征などで前年度の主力格を6名ほど欠いている。とはいえ指揮官は、「誰が出ているとか出ていないとかは関係ない。逆に言えば(代役にとっては)チャンスなんです」と言い訳無用の構え。「(選手の)チャレンジという点が感じられなかったところに、ストレスがあるかな」と訴えていた。
(文:向 風見也)

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