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若手ジャパンが示した対応力。我慢続けたARC第3戦。

怪我からの復帰戦で主将を務めたCTB立川理道。(撮影/松本かおり)


 アジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)第3戦が5月6日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれ、若手主体の日本代表が29−17で香港代表を下して3連勝とし、大会3連覇に王手をかけた。

 序盤から、ゲーム中の対応力が問われる展開になった。

 まず香港のフィジカルの強さ、ブレイクダウンでの激しさが想像以上だった。
 約3か月ぶりの実戦復帰ながら後半37分にチーム5トライ目を挙げるなど、高い総合力を発揮したCTB立川理道キャプテンは、接戦になった一因をこう語った。
「ブレイクダウンで激しくコンテストしてきて、アタックできなかった部分がありました」
 ブレイクダウンでファイトし、ジャパンの攻撃をスローダウンさせる――香港を率いるリー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)の狙いが、一定の成果を上げた。
「ある程度スローダウンさせることができたと思います。しかし80分通して継続する一貫性は足りませんでした」(ジョーンズHC)

 ジャパンはレフリングへの対応も迫られていた。
 香港協会所属の主審ティム・ベイカー氏は、日本が7−0とリードしていた前半7分頃からの約3分間、タックルをして倒れた選手がその場を離れない「ノットロールアウェイ」の反則を3度、ジャパンから取った。
 試合後、複数の選手がレフリングについて言及した。
「レフリングに対してしっかり対応するというのが、ジェイミー(ジョセフ・HC)も求めている“スマートなラグビー”だと思います。焦らず、冷静になって対処することが大事です」
「(レフリングに関して)フラストレーションがたまりがちでした。でも、そこでストレスを感じることなくやっていくのがベストだと思います」
 
 ジャパンはこれらの問題に、どう対処したのか。

 プレッシャーを受けていたブレイクダウンを見て、この日堅固なディフェンスも披露したSO松田力也は、チームの方針に沿ってディフェンス裏へのグラバーキックを多く選択した。
「流れが悪くなったら相手のビハインド(裏)に蹴る、ということはジェイミー(HC)とも話していました。ブレイクダウンがスローダウンしているなかで、そのボールが出ても良いアタックができないと判断したので、(裏へキックを転がして)もう一度ディフェンスから、ということを考えました」
 この日は、パスが大きく曲がるほどの強風が吹き荒れた。SH茂野海人と共に難しいゲームメイクを迫られ、本人は「もっと敵陣でやれれば良かったと思います」と反省も口にしたが、CTB立川キャプテンには功労者のひとりと映った。
「なかなか点差が開かない状況が続いていたんですが、若手のリーダーや、ゲームコントロールしてくれるスタンドオフがしっかりコントロールしてくれたおかげで、勝ち切れたと思います」(CTB立川)
 予想以上のフィジカルバトルに直面したが、SO松田や若手を含めたリーダー陣が臨機応変に対処し、チームを大崩れさせなかった。3戦連続で先発したFB野口竜司の安定したキック処理も光った。

 序盤で繰り返していた、ノットロールアウェイの反則。
 その後ジャパンはタックラーの“ラック離れ”が加速し、次に同反則を取られたのは前半37分、自陣に攻め込まれた香港の方だった。
 この日は気温27度の暑さもあって、後半25分頃に「4か所くらい一気に攣った」ほど動き続けたNO8松橋周平。ハーフタイム中にブレイクダウンに関し、意思統一を図ったと語った。
「(ノットロールアウェイを取られやすいため)ブレイクダウンは、かけるところとかけないところ、見極めてやろうという話をしました」
 次にジャパンが同反則を取られたのは終盤(後半31分)。コミュニケーションによる一定の対応力ならば示した。

 後半の立ち上がりはノックオンなどのミスが続いたものの、残り20分からはジャパンが主導権を握った。
 この日が代表デビューとなり、後半21分にはWTB山田章仁の同点トライを呼び込む猛タックルを披露したCTB鹿尾貫太は、「ジャパンペースに持っていけなかったことは事実ですが、まずは基本に戻ろう、ミスを少なくして、確実なプレーでいこうと選手で話し合った結果、後半最後に自分たちのペースになったと思います」。

 ノックオンなどのミスが多発するなか、積極的にコミュニケーションを図るなどして問題に対処し、後半の粘り勝ちの土台を築いた。

 前半2分に鮮やかな先制トライを挙げたことで圧勝ムードが漂ったが、結果は後半20分頃までにリードが4度入れ替わるシーソーゲームだった。圧勝の期待は外れた感がある。
 しかしジェイミーHCは厳しい状況においても我慢を続け、チームの形を保ち続けた点に着目、選手を評価した。
「香港はとてもフィジカルで、それを80分間続けたことに正直驚いています。バックスのタックルも、ブレイクダウンのコンテストも非常に激しかったです。このような試合ではチームの形が乱れがちですが、そこを立川(キャプテン)がしっかりと仕事をしてくれて、我々の戦い方をやり続けてくれていたと思います」
 CTB立川キャプテンの調子もけっして暗くはなかった。
「キャップ数が少ないメンバーでこういう試合ができたことは、ポジティブな要素だと思います。あと1試合残っているので、向上できることはしっかりとして、1週間いい準備をしていきたいと思います」

 香港がどんな相手なのかは、もう知っている。
 さらなる成果が期待されるアウェー戦、ARC第4戦の香港×日本は5月13日、香港フットボールクラブで日本時間午後5時7分にキックオフとなる。
(文/多羅正崇)




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