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尾崎晟也の工夫と挑戦。日本代表入りへの登竜門であるNDS入り。


第2回NDSキャンプでコンタクト練習をする尾崎晟也(撮影:松本かおり)

 2013年度に京都・伏見工で主将を務めた尾崎晟也は、大学選手権8連覇中の帝京大で1年時からレギュラー入り。来る新シーズンは副将を務める。

 オフ期間にあたる3月は、ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のメンバーになった。日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが陣頭指揮を執る、都内での育成キャンプに帯同。ナショナルチームに必要のシステムやスキルを、身体に染み込ませる。

「(選出されて)まず率直に嬉しかった。代表レベルのスコッドに入れることが嬉しかった。自分自身としては、いろんな吸収できるものを吸収し、自分を出せるようチャレンジをしていきたいです」

 大学ラグビー界では、長らくタッチライン際のWTBを主戦場としてきた。昨季は岩出雅之監督の勧めも受け、最後尾のFBに移った。指揮官は本人の卒業後の希望進路を踏まえ、より多くのチームのスカウトに注目されるようにとコンバートを提案。高校時代も背番号15を付けていた尾崎は「もともとFBの方が得意だった」と話す通り、フィールドのあちこちへ顔を出すこととなる。

 身長174センチ、体重85キロ。決して大柄ではない。もっともライバルからは、敵に回したくない人に認定される。

 アタアタ・モエアキオラ。身長185センチ、体重107キロの大型WTBで、日本代表キャップを持つトンガ人ランナーだ。東海大の新3年生でもあるこの人は、参加していたNDSの合宿中、尾崎の鋭いステップをこう語っていた。

「WTB同士の対面では試合をしたことがないけど、セイヤは動きがキレキレで止めにくいと思う」

 20歳以下日本代表に選ばれた大学1年時から、尾崎は「オフ・ザ・ボールの動き」を意識して磨いてきた。相手防御の死角でパスをもらうために位置取りを工夫したり、キックを蹴り合う際に危険なスペースをカバーしたり。自分より大きくて速い選手も多い国際舞台で抜きんでるべく、意識や工夫で高められる点に神経を注いできた。巨躯に「キレキレ」と驚かれる裏には、無形の力の積み重ねがあった。

 尾崎は今回、「少しでも早く100パーセントの力を出せるよう、戦略、自分の役割をしっかりと理解していく」。定められた枠組みのなかで持ち味を発揮すべく、その枠組みそのものを咀嚼(そしゃく)したいという。6日からの第1回キャンプ中には、相手を仕留め切る防御や接点での激しさに課題を見つけた。

「自分自身としては、ディフェンスの能力、アウトサイドでのブレイクダウン(ボール争奪局面)の能力が足りないと感じる。そこを鍛えていきたい」

 長所の「オフ・ザ・ボールの動き」をアピールしながらもいま以上の力強さを得て、日本代表への初選出を果たしたい。
(文:向 風見也)

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