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イングランドが横綱相撲で、最終節を前にシックスネーションズ2連覇達成!


スコットランド戦でハットトリックを達成したイングランドのジョナサン・ジョセフ(Photo: Getty Images)

 アイルランド、ウェールズを番狂わせの勝利で破り、数十年に一度と言われるタレントが揃ったスコットランド。だが、ワールドラグビーの世界ランキングで2位につけるイングランドの本拠地、トゥイッケナムではなす術もない。最終節を残し、イングランドがシックスネーションズ2連覇を決める、61−21の大勝を収めた。

 今大会、前半の出来の悪さが目立つイングランドだが、3月11日は見違えるような立ち上がり。試合開始最初の10分のボール支配率は92%。「今まで立ち上がりが悪かったので、前節が終わってからの2週間は、徹底的にこの問題を克服するためのハードワークを重ねてきました。いい雰囲気で練習をしてきた成果を発揮できたのは、素晴らしいこと」。エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、この試合の立ち上がりを良くするために、選手たちに鍛錬を積ませたようだ。

 出だしから徹底的に試合を支配したイングランドは、開始2分にCTBジョナサン・ジョセフが見事にスコットランドディフェンスを切り裂き、先制トライ。CTBオーウェン・ファレルのゴールも決まり、7−0。その後もファレルが2本のペナルティゴールを確実に決め、あっという間に13−0。

 先制トライを決めたジョセフは、鋭い走りでラインブレークを重ね、3トライを挙げてマン・オブ・ザ・マッチに輝いている。久々のスタメン出場で意欲を燃やす、若きアウトサイドCTBにとっては今日の試合には思うものがあった。「もちろん、今日は勝てて良かった。3トライは、自分の仕事をしたまでだよ。今日は久々のスタメン出場。とにかく試合に出たくて、ウズウズしてたんだ」

 24分にはジョセフが2本目のトライ、ファレルのゴールも決まり、20−0。ここまで叩かれて黙ってはいられないスコットランドは、28分にイングランド陣ゴール前でのラック連取から、PRゴードン・レイドが力でねじ込むトライ。SOフィン・ラッセルのゴールも決まり、20−7と息を吹き返す。

 しかしながら、イングラドはその後ペナルティゴール、WTBアンソニー・ワトソンのトライと、ファレルのゴールキックも成功し、30−7で前半を終了する。

 後半戦は乱打戦の様相を呈し、42分にイングランドのジョセフがハットトリック達成のトライで幕を開ける。49分には、ジョセフのトイメンに立ちやられていたスコットランドのCTBヒュー・ジョーンズが、近場の肉弾戦でジョセフにブチかまし、力でねじ込むトライ。だが、「取られたらすぐに取り返す」が、この日のイングランド。56分には、負傷明けで途中出場となったNO8ビリー・ヴニポラが、密集を押し込みトライ。スコットランドも負けじと68分にジョーンズがこの日2本目のトライを決めるが、71分とロスタイムにSHダニー・ケアが2トライを挙げ、61−21でイングランドの圧勝。

 前日に行われたウェールズ対アイルランド戦でアイルランドが2敗目を喫したため、1敗チームが消滅し、これまで全勝のイングランドが最終節を残して優勝を決め、シックスネーションズ2連覇を達成。しかしながら、勝って兜の緒を締めるとはこのことだろうか。試合後のインタビューで、ジョーンズ ヘッドコーチは顔を引き締めた。

 「今の私の頭の中は、来週のアイルランド戦のことでいっぱいです。2年連続グランドスラム(全勝優勝)が我々の目標です。今日の勝利でオールブラックスの記録に並ぶ18連勝とか騒ぐ人もいるかも知れませんが、そんなことは今はどうでもいい。とにかく、来週アイルランドを倒し、2年連続グランドスラムを達成することしか考えていません。選手たちには、一生に一度のチャンスだと思え、と言っています」

 初戦のフランス、2戦目のウェールズと、試合を通して出来が悪いながらも、なんとか後半で逆転し、薄氷を履むが如しのスタートとなったイングランド。3戦目ではイタリアの奇襲に足もとがぐらつく場面も見られた。その後、2週間のブレークの間に、前半戦の課題をキッチリと克服。4戦目のスコットランドを盤石の態勢で叩き潰すあたり、稀代の名将、エディー・ジョーンズの手腕が伺える。歴史的快挙とも言える、2年連続のグランドスラムに向け、死角は見当たらない。
(文:竹鼻 智)

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