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狼軍団のライオン。ヴィリー・ブリッツ、「サンウルブズ→日本代表」を目指す


昨年までチーターズで活躍したヴィリー・ブリッツ。今年はサンウルブズで体を張る(Photo: Getty Images)

 身長193センチ、体重110キロの巨躯が、ウェイビーな金髪を振り乱す。あごひげの生えた口元をゆがませ、密集戦に低い姿勢で突っ込む。タックルする。相手の塊をかち割る。インパクトのある風貌で、激しい動きを絶え間なく繰り返す。

 ヴィリー・ブリッツ。南アフリカ出身のファイターで、LO、FL、NO8と複数のポジションを担う。ディアマントベルト高に通った28歳は、かれこれ7年ほど前からこのヘアスタイルをキープしている。国際リーグのスーパーラグビーでプレーし始めた2014年、この頭髪が「ライオンのよう」と認知されたという。

 それこそ、母国のライオンズにいた頃の話だ。当事者が笑う。

「すごく敬虔で厳しい高校に通っていたので、その反動といいますか…。この髪型で初めて試合をした時から、一種のブランドのようになりました。これのおかげで、お母さんも自分をすぐに見つけてくれます」

 2017年度はスーパーラグビーで4度目のシーズンを迎える。ライオンズ、チーターズに続いて、自身にとって同リーグ3つ目となる所属先は、参戦2年目となる日本のサンウルブズだ。人呼んでヴィリーは言う。

「スーパーラグビーでプレーをし続ける自分にとってのチャンス。また、日本代表で活躍したい思いもある。始めとしてサンウルブズに…とも考えていました」

 2015年、来日。この時点で、ずっと日本でプレーしようと思っていた。子どもの頃はスプリングボックスこと南アフリカ代表を目指していたが、当時は「新しい目標」を必要と感じていた。

 国内最高峰トップリーグのNTTコムに入るや、その年度の開幕前からスタッフに信頼された。絶えず相手の懐へ刺さるその姿に、かつて日本代表の黒子役だった大久保直弥FWコーチは賛辞を惜しまなかった。

「チームプレーヤーであり、ハードワーカー。相手にとって嫌がられる存在になると思います。(獲得できたのは)ラッキーです。本当にいい選手。スーパーラグビーの選手はこれだけ動き続けるんだ、と、周りの若い選手にもいい影響を与える」

 外国籍を持つプレーヤーが日本代表になるには、原則的に同国3年以上の居住がマストとされる。ブリッツはこれまでの2シーズン、千葉県で活動してきた、最短コースでのナショナルチーム入りを見据えていよう。

 昨秋からジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが指揮するジャパンについては、「体現しているラグビーはニュージーランドに似たもの。日本代表が次のレベルに到達するには、あのスタイルは必要」と発言。未来の上司に忠誠心を誓う。

 何より、日本の穏やかな気風を気に入っていた。

「日本…。好きにならない理由はありますか? 南アフリカと比べたら安全な国で、時間通りに電車が来て、組織化がされている。人もフレンドリー。素晴らしい国です」

 2月1日から3日間、都内であったサンウルブズのキャンプでは、特徴的な長髪をゴムで縛って練習していた。ブリッツと同じNTTコムで主将を務めるFLの金正奎は、「スーパーラグビーを経験してきている選手。このチーム(サンウルブズ)にも何かを残して欲しいです」。狼の名をつける若きクラブにあって、「ライオン」の献身に期待する。

 当の本人は、心で誓う。

「チームのためにベストを。痛みを感じたとしても、それをプラスの力に変えるマインドセットで」
(文:向 風見也)

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