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イングランド、再び終了間際の逆転勝利でウェールズを下す


16連勝となったイングランド。勝どきを上げるジョー・ローンチブリー(Photo: Getty Images)

 シックスネーションズ第2節のウェールズ対イングランドが2月11日、ウェールズのホーム、プリンシパリティ・スタジアムでおこなわれた。ホームの熱いサポートを前に攻守ともに奮闘し、試合終了5分前まで大半の時間リードを保っていたウェールズだったが、イングランドWTBエリオット・デイリーの逆転トライで、21−16とイングランドが第1節に続いて接戦をものにした。

 試合の立ち上がりは、先週の出来の悪さ取り返す為に奮闘するイングランドFWがブレイクダウンを徹底的に支配し、前半20分のイングランドのボール支配率は75%にも及んだ。先週に続き、慣れたLOではなくFLで出場するマロ・イトジェも密集でいい働きをし、FL起用を疑問視する声を封じ込める勢いを見せる。

 双方、ペナルティゴールを成功させて3−3とした後、17分に試合が動く。ラック連取からウェールズディフェンスを内に寄せたイングランドは左へ大きく展開し、FBマイク・ブラウンの力強い走りでゴール目前まで迫り、ラックの僅かなスペースに飛び込んだSHベン・ヤングズがトライ。ゴールも決まり、8−3とイングランドがリードした。

 対するウェールズも徐々にボール支配率を高め、接近戦とオープンプレーを交えた効果的な攻撃で幾度となくイングランドゴールに迫る。37分には、イングランド陣22メートルライン内のスクラムから見事なBKサインプレーを見せ、ブラインドWTBのリアム・ウィリアムスがきれいにディフェンスのギャップを抜けて、トライ。ゴールも決まり、8−13と逆転に成功し、ハーフタイムを迎える。

 後半も双方ともにレベルの高い戦いを見せ、近場での激しい肉弾戦、好機を待った上でのスペースへの展開、紙一重でのオフロードパスなど、見どころの多い熱戦を展開する。両チームともにペナルティゴールで得点を重ねるが、ウェールズが常に僅差のリードを保つ展開。後半戦が進むにつれ両チームともに交代のカードを切り始め、イングランドは先週のフランス戦で逆転トライを挙げたCTBベン・テオ、即座に試合にインパクトを与える「猛獣型」FLジェームズ・ハスケルなどを投入し、試合を動かしにかかる。試合後のインタビューで主将のディラン・ハートリー(HO)が「“フィニッシャー”が入ることで、後半に試合を変えることができる」と言っていたように、瞬発力に優れた選手たちを試合の終盤に投入するエディー・ジョーンズ ヘッドコーチの戦術は、これまで幾度となくその効果を見せている。

 ウェールズもイングランドと同様に後半10分以降次々に交代のカードを切り、CTBジェイミー・ロバーツ、NO8トビー・ファレタウなど突破力のある選手を投入しているが、途中出場選手のインパクト力では、イングランドに分がある。こうした「試合の流れ」が選手たちに与える心理的な影響か、75分にはウェールズCTBジョナサン・デービスが、自陣ゴール前のラックから出たボールを、後方でキックに備えるイングランドディフェンスの胸元へ直行となる凡ミスキック。疲れの目立つウェールズは、キックチェイス、ディフェンスラインの押上げともにプレッシャーが緩く、カウンターアタックを仕掛けるイングランドはSOジョージ・フォード、CTBオーウェン・ファレル、とボールを回し、最後は大きなスペースへ走り込むWTBデイリーに絶妙なパスを送り、コーナー目がけて走り切ったデイリーが見事な逆転トライを挙げる。ファレルのゴールキックも決まり、息を吞む好プレーが連続した熱戦は、終了間際のイングランドの逆転勝利で幕を閉じた。

 今大会から主将となったウェールズのLOアラン=ウィン・ジョーンズは、「どれだけ長い時間リードしていても、テストマッチの勝負の結果というのは、本当に小さな差で決まってしまう。意図していた通りに、プレースタイルを変えて戦えたのは収穫」と、惜敗の悔しさをにじませながらも、前を向いた。

 イングランドのジョーンズ ヘッドコーチは、「今日も試合終了間際までリードを許していましたが、絶対に勝てると思っていました。先週のフランス戦に続いて厳しい試合の競り勝ちですが、大きな要因が何かと言えば、選手たちの“気概”です。選手たちは、このチームが世界一のチームになれるという信念を持ってプレーしていますし、世界一になる為には、こうした僅差の勝負をモノにできるようでなければなりません」

 ジョーンズ ヘッドコーチのもと、勝負師としての経験を着実に積み重ねていくイングランド代表。シックスネーションズ2連覇を狙う本命に、死角は見つからない。
(文:竹鼻 智)
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 11日はローマでも試合がおこなわれ、アウェイチームのアイルランドがイタリアに63−10で大勝した。対イタリア戦の最多得点記録を更新したアイルランドは、9トライを挙げており、ボーナスポイントも獲得している。
 開幕戦でスコットランドに惜敗したアイルランドだが、これで1勝1敗となって総勝点を6に伸ばした。イタリアは0勝2敗で総勝点はゼロのまま。
 イングランドは2勝0敗(総勝点8)、ウェールズは1勝1敗(総勝点5)。

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イタリアのWTBエスポーシトをダブルタックルで止めるアイルランド(Photo: Getty Images)

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